＊54 M.Side ページ24
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食器を洗い、そうして拭いて…
やることが終わりなんとか一息をつける。
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宮 「あ、Aちゃん…！」
今日の朝、一人で帰らせるにはまだ心配だ。
家の場所を聞き出そうと思っていた。家の前まで送るよ、そう言おうと思ってた。
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だけど…
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宮 「…寝てる、か。笑」
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よほど疲れていたんだろうね…？
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この数十分という時間の中で君はあっという間に夢の中へ。
口なんか空いちゃったままで
それはもう無防備で可愛いらしい。
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宮 「うん。下がってるね…」
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おでこに手をやると先ほどよりも明らかに冷たさを帯びているそこ。
なんとか市販の薬が効いた、みたいだ。
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はぁ…よかった…
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ほんっとに今日は…
本来なら夜上がりなのに、Aちゃんが心配で、上がりを繰り上げてもらって。
ロビーまで着いてきてみたら案の定、顔を真っ赤に染めた君が居て、…そして今に至るけど。
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『宮舘、先輩…！』
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目の前で無防備に眠るAちゃんの寝顔を愛しく眺めていると…
突然、色々な場面での彼女の笑顔が脳裏に思い浮かんだ。
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なんで、突然？
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そう、だよ…？
俺は今日いや今。もちろん先輩として彼女を…
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そうだよな。俺…？
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あ 「、亮平…」
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宮 「…っ」
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寝返りを打って嬉しそうに彼女が放ったのはそんな言葉だった。
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亮平って…もしかしてそれ…阿部のこと？
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まだ分からないけどそうだとしたら
二人ってそんなに仲良かったっけ…？
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pipipi…
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宮 「阿部、？」
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そんな時、彼女の携帯のディスプレイに表示されていた名前。
それは紛れもなく、その噂の彼だった。
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作者名：くろーばー。
| 作成日時：2020年12月29日 22時
