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あ 「疲れたぁ…」
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なんだかんだ今日も忙しく残業だった。
亮平の抜けた穴はやはり大きい。改めてそう思い知らされる。
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やっと家路に着けたかと思えばそれは日付が変わった頃だった。
うーん。正直。体調は優れない一方だし…
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特に頭痛悪化してる、かも。
自然と治るかと思ってたけどなかなか治らないしやっぱり薬飲んだ方がいい…？
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シャワーを浴びて、だらしない格好でベッドにダイブする。そんな時だった。
ピロリン。ふと携帯の着信が鳴る。
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あ 「…！」
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ディズプレイには【阿部亮平】の文字。
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う、そ。亮平からだ…
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昨日の朝のメールから返信や何の音沙汰もなかったのに、突然の…
しかも、メールではなくビデオ通話。
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こんな時間に突然…？
何の予告もなしにこれはずるくない…？
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色々心の準備出来てないって…
少しは私に猶予というものも与えて欲しいものだ。
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ベッドから身体を起こして急いでソファに腰を下ろして。
ふぅ、とひとつ息を吐くと、意を決してビデオ通話をオンにした。
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阿 「…あ、出た。笑」
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あ 「う、ん…」
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恐らく彼はベッドに寝そべりながらの通話だろう。
そこで頬杖をつきながら、私の存在を確認するや否やふふって唇を結ばせて笑うの。
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私、今上手く笑えてる…？
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たったの数日間だけなのに、まるでずっと会っていないような感覚。
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ビデオ通話とはいえ2日振りにこの目で見た亮平に胸はどんどん高鳴るばかりで…
それはもう、嬉しくて堪らなかった。
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作者名：くろーばー。
| 作成日時：2020年12月29日 22時
