【ハイキュー】どうしてこうなった。2【白鳥沢】 (ページ10)

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続きページ10

NOside

ある日、姫は自室で頭を抱えていた。

「(ああもう何で私の周りには変な執事しかいないの？本当やめてほしいそろそろ胃が死にそうなんだけど。一国の姫が倒れた理由が”ストレスによる胃の痛み”ってどうなの？最早それ一国の姫と呼べる？いや呼べないよね！)」

いつもの如くポーカーフェイスは保っているが、姫の心は荒ぶりまくりである。

今もキリキリと痛む胃をさすりながら、姫は本日何度目か分からないため息を吐いた。

コンコン

控えめなノック音が姫の耳に入った。

「姫様、ドアを開けてもよろしいでしょうか？」

姫のよく知る聞き覚えのある声がした。

その瞬間、姫は悟った。
アッこれ私の胃死ぬパターンだ、と。

しかし、ここで帰すワケにもいかないと思い、姫は「どうぞ」とドアの向こうの執事に声をかけた。

「失礼します。姫様、ハーブティーをご用意致しました。こちらに置いておきます」

「ありがとう。賢二郎」

姫がお礼を言うと「いえ、俺にはこれくらいしか出来ませんから」と微笑むこの男、白布賢二郎。

この男は王である若利に絶対的忠誠を誓い、姫であるAを神だと崇める、いわゆるこの兄妹の熱狂的なファン....いや、信者である。

「それじゃあ、いただきます。.....ふふ、やっぱり賢二郎が淹れるハーブティーは最高ね」

「....お褒めに扱い光栄でございます」

一見、普通に会話をしているように見えるが、白布の脳内は大パニック状態。

「(お、お、美味しいって言ってくれたぁぁ....！そ、それに俺に微笑んでくれて......、はああぁ、やはり姫様はお優しい....まさに神だ。あ、また飲んでくださった....！どんな姿もお美しい......嗚呼、俺が姫様を視界にいれるなど、本当はおこがましいものだというのに....それを許してくれる貴女はやはり神だ.....ッ！)」

一度こうなってしまうと、白布は自分の世界に入ったまま出てこない。
姫を見つめるその顔は、まさに恋する乙女のよう。

「.......(すごく視線を感じる.....うわ目が合っちゃった...！何なの！？そのとろんとした顔は！英太とは違った怖さがあるよ本当恐ろしいよもう....この前『許されることなら姫様のお顔を一生見続け、崇め続けていたい....』っていうのを盗み聞きしてから気づいた私は馬鹿なのかな....どんだけハーブティーに夢中？)」

白布による視線の暴力に耐えながらハーブティーを飲む姫の顔は、どこか遠くを見つめていたという。