4* 早く仲直りして××したい ページ4
ふくれっ面のまま焼きそばパンをくわえるAちゃん。
「…うらたんが、センラさんと食べるなんて」
朝イチの喧嘩ならお昼ご飯を眉をひそめて食べているうちに打ち解けているのだが、それでさえも拒否する事になるとは思っていなかった。本当は同じクラスの俺が誘われていたのだが、俺はなんとなく断ってしまった。うらたんは坂田を避けるようにセンラくんだけとお昼ご飯を食べて行った、という訳である。
「…もう本当に私のこと嫌いになったのかな…もう好きになってくれないのかな」
「そんなわけないやろ?…な、まーしぃ」
震えた掠れ声を聞いて坂田までも涙目になりながらあわあわとしてついには俺に向かって助けを求めた。俺はふと朝のうらたんとの会話を思い出す。
******
「うらたんなんかすっげー顔しとる」
「いつものアレだっつーの」
いつもの、とか言う割には顔はいつもの5倍ぐらいのしかめっ面。アレって…喧嘩やんな。なんて聞く間もなくため息を漏らすうらたん。俺は前の女子の席が空いていたのでガッツリ座りうらたんと目線を合わせた。
「あいつ、俺の事冷めてきたんかな」
「ぇ…なんで急に!」
「…や、今日初めて俺以外の名前を俺と2人の時に出した。」
そう言ってムッと俺から目を逸らして口をとんがらせた。俺は目を真ん丸にさせて驚いたのだ。なんてことない事だけどとんでもない事だ。でもそんな事するという事はうらたん自体もなにか悪いことがあったのではないか。という第三者からの意見となる。
「そろそろ俺溜まってんの。かわいいAを見たい」
「突然そういうの挟むのやめてや…っふ」
「とか言いながら笑ってんの誰だよ」
少し照れて頬を赤らめるうらたん。Aのこと好きなんやろなぁって遠目の意識で頬ずえをついて微笑んで見つめているとさっきの発言がぐるぐる上ってくるようにどんどん真っ赤になる顔。
「ほんまにAちゃん好き好きやなぁ〜」
「うるせぇ。黙れ。殺 すぞ」
「うーん辛辣ぅ!」
頬を殴ろうと拳が飛んでくるからばんと片手で受け止めると力の押し合いでプルプルと2人の腕が震えた。『てっめぇ…』と片目をピクピクを怒らせながら拳に力を込めるから俺の口からにやにやが止まらなかった。
******
「…っふ」
「何笑ってるの。」
「いや、お前らラブラブやなーって」
そう言っても納得しないAちゃんの顔は嬉しそうだった。
*一部変更しました*
5* 本人達は真剣です→←3* 捨て台詞のショックの落ち込み
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Leaf(プロフ) - あ、はぁ………尊い。 (2018年10月8日 16時) (レス) id: b8ce9cd4fa (このIDを非表示/違反報告)
結月(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します!陰ながらずっと読んでおりました!凄く大好きな作品です^^*作者様のうらたさんのとても好きなので、また読める機会があれば嬉しいです。完結、おめでとうございます。 (2018年10月7日 11時) (レス) id: 286dc51d91 (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - maiさん» コメントありがとうございます。坂田さんの出番を少し増やしてみますね^^* (2018年9月28日 22時) (レス) id: b10484d3c8 (このIDを非表示/違反報告)
mai - ほんっとうにこの作品好きです!私は坂田家ですが、うらさんも好きなので楽しんで読んでます。坂田が出てくるとにやにやしてたり笑 (2018年9月24日 10時) (レス) id: 77b863b750 (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - 宮本 ?さん» コメントありがとうございます。世界中のこたぬき様へのプレゼントみたいな短編小説になればと思います〜! (2018年9月15日 23時) (レス) id: b10484d3c8 (このIDを非表示/違反報告)
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