男子校だなんて聞いてない【歌い手】

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｢……んで、なんて書いてあったの？そのお題。｣

｢はは、そ、そらるさんはなんて書いてたの？！｣

｢……ごめん、もう忘れた。｣

｢なんで忘れるの？！私疲れたんだけど！！｣



私はそう怒鳴ってから応援席に戻って冷たい水筒を開けた。かわいた喉に潤いを与える。


疲れた。早くお布団と結婚したい。


✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼


“彼女”

“好きな人”




ペラリと音がしてクシャクシャになったお題の紙を一緒のタイミングで開く。


その瞬間恋敵という事が分かってしまった。




｢……彼女いないじゃん。何A連れてってんの、まふ。｣

｢…そらるさんこそ、好きな人だなんて嘘つかないでくださいよ。｣



肩にかけていたタオルで顔から流れてくる汗を拭った。

もうすぐセミも鳴き出す頃。





｢……夏休みってなんか学校行事ありましたよね？｣

｢俺らは寮生活だし、夏休みなんて無いけどな？｣

｢そういう話じゃないですって！！｣


僕は腰に手を当てて怒った素振りを見せる。そしたら意地悪そうにそらるさんは笑う。


｢はは、ごめんごめん。確か林間学校あったんじゃない？｣

｢………そうですか。｣





僕らの夏は今始まったばっかり。



という事でいいですよね？

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