ドッキリ系歌い手、今日も危険です【歌い手】

＊私、男子恐怖症 ページ5

｢…じ、じつはやな、天月くんの件から、みんなと目が合うのが怖いなぁって思ったりなんか苦しなるなぁって思って、病院行ったら男子恐怖症？って言われて…｣


まぁ嘘なんやけどな！！！！！！

私はモゴモゴとまふくんとさかたんから目を離して苦しそうな表情で胸元の服をぎゅっと握りしめて言った。

今日は3人でゲーム実況する予定やったんやけど、なんかドッキリ仕掛けたくて始めましたわーい。


｢ゲームも一緒にしたら、怖いん？｣

｢怖い｣

｢いまも、怖い？｣

｢怖いってか…不安になる。この辺が気持ち悪い｣


そう言って食道の辺りを撫でるような動きをして、か細い声でそういうと2人は目を合わせて困った顔をした。そして私に近付く。いや今の話聞いてなかったんかーい。


｢…っ、イヤっ｣

｢じゃあ克服しようよ〜一緒に寝ようよ〜｣

｢っ、ごめんなさい、っやだ…やめて！！｣


恐怖症の方の症状を色々調べたんやけど、やっぱり演技は難しい。と言うかまふくんが背中に頭をスリスリ擦り付けながら腰に腕を巻き付けた。

私は腰を拗らせて逃げようとするけど、そんなほっそい腕でどうやってそんな馬鹿みたいな力出るねんみたいな感じで、逃げることが出来ない。

仕方ない、必殺！《涙腺崩壊》！！


｢っう、っゃあ…！こわぃっ…！｣

｢…怖いん？かわいい〜｣


坂田ァ！！！！！

さかたん止めてくれると思ったのに、何か悪魔のような笑みで藻掻く私を前から抱きしめる。


｢天月の件の時に思ったんやけどさぁ、Aって泣いてる顔ほんま可愛ええなぁって思って…｣

｢〜〜〜っ、あほか！！｣

｢…ほんま、いい匂い。…あまい｣

｢…ひぁ＿＿＿！｣


さかたんがゆっくりとろんとした瞳で私の頬を撫でる。そして私の髪の毛をサラッと触る。そしてその髪の毛を軽くすん、と匂う。そして首元に顔をうずくめる。

それに対して後ろからはまふくんの頬を私の背中に押し当てて心地よさそうに抱きついている。寝る時の抱き枕みたいに、ふふって笑う。

演技してる場合じゃないし、そろそろ本気で逃げないと、男二人には適わないのは見えている話。つかサンドはキツイ。




……この状況をくぐり抜ける方法をパンクしそうな頭で考えてる。




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