ドッキリ系歌い手、今日も危険です【歌い手】

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いや、そろそろ止めて欲しいんやけど…？あの、その、天月くんまじでサイコパスモード入っとるねんけど、ねぇ、どないすんの？


｢…ちょ、どないすんの？！天月やばいやん｣

｢Aもサイコパスだろ…｣


ヒソヒソ喋ってんじゃねぇわ！！助けろや！！そう訴えていると突然肩のあたりに痛みが走る。天月くんが引っ張っているのだ。


｢…いっ！｣

｢あれ？抜けないなぁ…ぬぽん！っていくと思ったのに｣

｢あほか！！ちょ、マジ肩抜ける…！！｣

｢あはは、痛い？｣

｢ぅおい天月くぅぅん！！ストップまじで、ちょ、みんな助けろや！！｣


私は遂に助けを求めるが、うらたさん、さかたん、まーしぃ、まふくん諸々は必死で首を横に振る。諦めて私はなるせくんやそらるさんに目線を送るが、見なかったフリされる。センラくんに目をやると酒に潰れてる。


｢いや、まだ死にたないねん俺ら…｣

｢ゴメンなA、今までありがと｣


｢いや裏切りはキツ……いで！！まじ、やめ、｣


涙目になって天月くんを見つめると、彼はこてんと首をかしげた。そして顎に手を置き、考え事を始める。


｢抜けないなら、切るしかないかなぁ…｣

｢ちょ、天月くん？！｣

｢あ、ちょうどピザカッターあるじゃん｣

｢天月ィ！！！｣


私がそう言うものの虚しく、突然後頭部を捕まれ、床に押さえつけられた。怖くなって流石に『やだ、やめて…』なんて縋るように懇願する。馬乗りされて無理やり天月くんを視界に入れされられる。

赤いニット帽をキュッと被り直し、少し赤らんだ頬で口角を上にあげた。その笑顔のとなりには、ピザカッター。


｢いつも気が強い女の子をこーやって泣かせんのって、ほんと興奮するんだよねぇ…｣

｢ほんま無理ほんま無理…なぁ、ドッキリって話やろっ？！｣

｢……そーだっけ？僕覚えてないや｣


乾いた笑いを漏らした。いや何この人！！！！もう怖い！！逃げられる体力全部使って、首を横に振ってイヤイヤと泣いた。もうみんなに見られているとかそんな問題やない。生死が掛かっとる。

すると私の前にしゃがみこんで来る影が見える。……さかたんだった。


｢天月、泣いとるA可愛ええけど、ピザカッターで腕を切り落とすのは無理かもなぁ｣

｢…ぃや、まじ何言ってんねん…｣

｢あ、無理？じゃあ何だったら＿＿｣


そう言うと同時にさかたんが持っていた箸を天月くんに向けて、無表情の圧でこう言う。






｢…今すぐ、やめろや｣


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