私の部屋 ページ13
「___、…A、…起きて。」
「…っんぅ……」
目が覚めた。目の前には寝ぼけた様子のそらるさんがいた。私はごしごしと目を擦りながら上半身を起こした。
真っ白い部屋なのは変わりなかったが、テレビ、時計、冷蔵庫、テーブルと椅子、そして奥に扉がありトイレという看板が掛かっている。その隣にも扉がありお風呂と書いてあった。
時計に目をやると深夜か昼のか分からないが1時を指さしていた。
「…っ!…窓!」
私の手の届かないところに顔一つ分ほどの小さな窓があった。椅子を持ってきて上に乗り外を見た。風がヒヤリと当たる。真っ暗で木々しか見えない。
「……っどこ、なのここ」
「A、落ち着いて」
「て、鉄格子って…可笑しいよ、これってもう
……っ、監 禁だよ」
お題に気を取られすぎていて抜け落ちていた。いつまでここに居るんだと、やっと我に返った。そらるさんは少し顔を曇らせた。
その時、ピロリン!と音がなり私はすぐにモニターを探した。するとテレビだと思っていた画面からいつも通り文字が現れる。
【1日目、終了】
【食事を選択してください】
「……1日目…?」
まだ、いつまで続くのだろうか。私の足は震えていた。まだベットの上で上半身だけ起こしてモニターを見つめるそらるさんの目は、何か知っているような透き通ったブルーの瞳をしていた。
「…お腹、空いてない?」
「……空いてます」
「俺先に風呂入っておくから、ご飯食べなよ」
ショックで立ち尽くしている私に優しく話しかけて頭をクシャッと撫でた。お母さん、お父さんに会いたい…。そう思うとポロッと一筋の涙が落ちた。隠すために彼にが少ししがみついて床に目を伏せた。
「……大丈夫。一緒に抜け出す方法考えよう。でも今は生活するものは揃ってる。落ち着いて今はできることをしよう」
「…っ、はい」
そらるさんは『偉い』と言って小さく笑った。そして彼はふろ場と思われる部屋に入っていった。
1人になってからやっと自分の服が変わっていることに気付く。大きめの白黒のボーダーTシャツ、短パン。まるで囚人のような服装にまたゾッとした。
というか、どうしてそらるさんはあんなに冷静なんだ?まるで内装を知っているかのように風呂場へ入っていく。
「……そらるさん、何か知ってる?」
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しらす - は?猫耳さかたんとか天使かよ (2019年4月23日 13時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆのすけ(プロフ) - Blackgirlさん» コメントありがとうございます。続編もご期待に添えるよう頑張らせていただきます (2019年2月24日 15時) (レス) id: d6c32b13a2 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆのすけ(プロフ) - 歩さん» コメントありがとうございます。続編もよろしくお願いします…! (2019年2月24日 15時) (レス) id: d6c32b13a2 (このIDを非表示/違反報告)
Blackgirl(プロフ) - みんな一途で可愛い。続編期待してるで。 (2019年2月22日 23時) (レス) id: 61c7222caa (このIDを非表示/違反報告)
歩 - ついに続編ですか!!おめでとうございます!黒幕も出てきた(?)事だし、これからの展開が更に楽しみです!続編もふぁいとですっ! (2019年2月22日 20時) (レス) id: 13020661c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しょうゆのすけ | 作成日時:2019年1月21日 16時