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*続 ページ48

「_____え?全然。普通に仕事やし。」

「……は?」


うらたさんに事情説明を受ける。確かに心配するのは分からんことも無いけど、なんでそんな深刻なことになってんの逆に不思議やわ。私は笑ってコタツの真ん中にあるみかんを1つ手に取った。


「…ドッキリさ」

「ん?」


まふくんがポツリと喋り出した。私はみかんを剥く手を止めて、ゆっくり彼の赤い瞳を見つめあげた。


「……これからも、してくれるんだよ…ね?」

「したら、みんなに迷惑やったら、もーせぇへんよ」


そう言って柔らかな笑みを零してもう一度みかんに目を落とした。白い筋を指で綺麗に取っていく。するとさかたんが声を上げた。


「俺は、ほんまに迷惑やったし、用事はめちゃくちゃにされたり、もうして欲しない…嫌い」

「っ……そ、か」

「ごめんなA。センラもなんです。…名古屋からドッキリは、心臓に悪い。」

「僕もAの事いつかほんとに首絞めちゃいそうだから、程々にして欲しいなぁ」



みんなからの本音の矢が、心臓にプツリプツリと音を立てて刺さった。顔を上げたくなかった、上げられなかった。無心でみかんの白い皮を剥く。綺麗になったのに、顔を上げられないから、剥く。



「俺も。Aの事正直…嫌い。ドッキリなかったら仲良くならなかったしな」

「…嫌いだし、可愛くねぇし。」

「せやなぁ。ぶっちゃけ媚び売ってるんちゃうかなーって感じやね。その大きな目で見つめられたら、心臓に悪いし。」



私はみかんをひと房手に取り、口に含もうとする。だけど手が震えてなかなか口に含めない。視界が歪んだ。大粒の涙が、ポトンと落ちた。



「…ごめ、…っごめんなさい…ぅ」



すると頬を撫でられた。白く細い腕。親指で優しく涙をふき取った。見上げると優しい笑みのまふくん。だけど、その優しい笑みは一瞬にして消えた。

ゲスくて、意地悪そうなその笑み。

あぁどこかで見たことがあるような。







「____嘘やけどっ?」




初めて聞く関西弁に、キョトンとしてしまう。その空気に、耐えれず吹き出して笑ったのはなるせくんだった。



「…っふ、何そのエセ関西弁…っはは」

「えっ?!下手くそっ?!」

「うん。かなり下手やで。それにAの真似なんやったらほんまもっと下手やな」

「ひどっ?!」


「…ぅえ?…ま、待って、分からへん。どゆこと?」




みんな揃ってニンマリ笑った。






『これ、ドッキリだから!』

*ドッキリやけど*→←*続



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しらす好き - うわぁ!!騙されてしまいました!これからも、頑張って下さい! (2019年2月10日 15時) (レス) id: f05a7b8ab9 (このIDを非表示/違反報告)
雫@更新おそめ(プロフ) - わあああああ騙されました騙されました!!!!すごいすごい!!めっちゃいいです!!!!これからも応援します!!! (2019年2月10日 14時) (レス) id: 6d0f7297ef (このIDを非表示/違反報告)
仲館 瑠美(プロフ) - 続編よっしゃゃゃ!見事に引っかかってしまった(泣)これからも頑張ってください! (2019年2月10日 13時) (レス) id: 8a67a74e89 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆのすけ(プロフ) - 咲魔_ジャジャ麺さん» ご指摘ありがとうございます…誤字が多くて大変申し訳ございません。ありがとうございます (2019年2月9日 17時) (レス) id: d6c32b13a2 (このIDを非表示/違反報告)
咲魔_ジャジャ麺 - びしょ濡れドッキリのところ女の子って笑ってからそうだになってますよ (2019年2月9日 10時) (レス) id: ac3afb786c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しょうゆのすけ | 作成日時:2019年1月8日 16時

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