ドッキリ系歌い手、今日も頑張ります 【歌い手】

＊続 ページ4

｢…ここまで？｣

｢し、て、な、い！！！｣


そんな言い方するとムスッとした顔でまふくんは言う。


｢……ムードって知ってる？A｣

｢し、ら、なｯ…んっ、ん｣



そして突然噛み付くようにキスされた。ひああああああファーストキスぅぅぅ！！！


『また暴走したら僕を蹴り倒して！！(まふまふvoice)』とか言ってなかったっけ。…股間蹴り却下されたやつ。うん。

舐り着くようなキスの仕方にフワフワしてきた…何この人…ホンマに股間蹴ってええか…？


｢ん、……っ、ん、っふ｣


歪んできた視界の中で必死に足を動かして蹴り倒そうとする。よし＿＿今や！！！

振り出した足はまふくんにふくらはぎをがっと掴まれた。マジかよ！！！！


｢おっ…と、蹴らないでよ〜｣

｢ほんまっ、ま、ふくん落ち着いて！マジで股間蹴るで？！｣

｢ほんとムードないね｣


まふくんは怪しく笑って私に顔を近づけてあざとくこう言った。


｢…女の子なら大人しくしてよ？ねっ？｣

｢やーーーーーだーーーーー！！｣

｢うるさっ｣


私が大声でまふくんの肩をドンと押すとまふくんは呆れた顔で私から離れた。すぐさま上半身を起こして口元を拭う。


｢でも僕怒ってるよ？｣

｢怒ってるのと襲うのは違うね｣

｢なんで志麻くんとは＿＿｣

｢ドッキリやねんて。｣



そう言った瞬間まふくんはアイスが解けるようにため息をついてぺたりと座り込んだ。でもプクッとほっぺを膨らまして少し赤らんだ頬のまま声を漏らす。


｢僕はめちゃくちゃその気だったのにぃ…｣

｢私は誰ともその気ちゃうで｣

｢いつか僕だけのものにするからね？｣

｢ほんとそういうセリフどこから出るの？｣



＊




｢……本気なのになぁ｣




＊

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