再び恋をはじめます【緑】 (ページ5)

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収録は予定よりも少し早く終わって、18時半に間に合いそうだなと思いながら帰る支度をしていると、コンコンコンとノックされた楽屋のドア。

はーい！と返事をしてドアを開ければ、阿部さんちょっといいですか？ってさっきの収録に関わってくださってた女性スタッフの方だった。

「何か問題でもありましたか？」

「いえ、そうではなくて、」

「…？」

「あの、私阿部さんのことが好きなんです…！」

実は私、阿部さんがジュニアの頃からずっと応援していて、と照れたように頬を赤く染めて気持ちを伝えてくれる。

…気持ちは嬉しいんだけど、俺アイドルだし。それにAのことも全く忘れられないような、未練タラタラな俺だから

「すみません、俺アイドルなので。気持ちだけ受け取っておきます」

「そ、ですよね！急にすみませんでした、！」

断るっていう選択肢しかなかった。

それなのにこれから合コンに行くなんて矛盾してるよな、と思いながらも、また帰る支度の続きを始める。

「よし。忘れ物もない、はず」

楽屋を出る前に最終確認をしてからドアノブに手をかける。チラリと見えた腕時計は18時半を示していて、少し早く終わったのに結局遅れてしまった、と急いでお店に向かった。

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