再び恋をはじめます【緑】 (ページ22)

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想いが通じ合ったあの日から付き合ってるわたし達だけど、ひとつだけ、約束されたことがある。

このこと、誰にも言わないでね？

当時は二人だけの秘密みたいで嬉しくて、その約束を一生懸命守って誰にも言っていなかった。もちろん友達にも、親にも。

だけどよく考えたらそういう風に言われるのは当然のことだったな、と思う。

月日が流れるのは早いもので、わたしは3回生になり、亮平くんは院に進級し、2年生になって、気がつけばもう2年半も付き合っていて。わたしは亮平くんのことを亮平と呼ぶようになっていた。

季節は冬で、今日も寒いね、と亮平と話しながらキャンパス内を歩いていると、後ろからあの、と声を掛けられた。

「阿部亮平くん、ですよね？」

「え？」

「私、阿部くんを追いかけてこの大学に入りました…！」

恐らく今年入学してきた子で、初々しいなと思っていたら、

亮平を追いかけて？どういうこと？
女の子が言ってる意味がわからなくて、モヤモヤが生まれる。

亮平は何かを察したのか、ちょっと待ってて、とわたしに言って、声を掛けてきた女の子を連れて離れる。

少しして戻ってきた亮平は待たせてごめんね、行こっか、と歩き出す。亮平が歩き出した向こう側にはさっきの女の子がいて、友達の隣で泣いているのがわかった。

『亮平？』

「ん？」

『さっきの子になんて言ったの？』

「それは、………ごめん、言えない」

その言葉に黙り込んでしまうわたし。そんなわたしを見た亮平はほら、行こ？と眉を八の字にして困ったように言うから、聞いちゃだめだったんだと申し訳なく思ったと同時に、なんで教えてくれないんだろう、と不安になった。

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