恋蛍と泡沫少女【3年A組】 (ページ2)

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＿　3月1日　＿ページ2

you side .

『んん…寒い…』

そんな事を呟き乍マフラーに顔をうずめる。

少し顔を顰めると、頬に出来た傷がじんじんと痛む。

そんなことを思い乍魁皇高校の門をくぐると、見慣れた人影を見つけた。

私は小走りでその子の元に向かう。

『唯月！おはよう、待った？』

諏訪「Aー！おはよう、全然待ってないよ。

早く行こ？」

私の腕に唯月の腕を絡ませ乍、下駄箱に向かい上履きに履き替える。

少し早く来すぎたからか、まだ廊下は誰もいなかった。

諏訪「にしても、卒業に関する大事なお話ってなんだろうね」

『なんだろ、分かんないな。でもよっぽどの事があるのかな？』

諏訪「かもね、これでどうでも良い話だったらどうする？笑」

『そしたら帰ろ、私唯月とカフェ行きたいなぁ…？』

諏訪「いいね！絶対行こ行こ！」

そんな話をしてたらいつの間にか教室についていた。

後ろのドアを開けようとすると、ガタガタと音が鳴っただけで開きはしなかった。

しょうがないから前から入ると皆が挨拶をしてくれた。

『あれ、甲斐達は？』

と唯月の席の近くに座り乍呟くと、皆が遅刻じゃねって口を揃えて言ってて、思わず苦笑してしまった。

そのまま登校してきた涼音や愛華と話してると、やっとぶっきーが入ってきた。

柊「あれ、甲斐くん達は？」

と言った途端に前のドアから安定の甲斐軍団が入ってきた。

石倉「はぁ、間に合ったー」

須永「ぶっきー少しぐらい大目に見ろって…！」

須永はそう言うと笑い乍ぶっきーを蹴った、ぶっきーはそのままドアにぶつかった。

『あはっ、流石ー！』

須永「はは、おはよ」

そのまま唯月や甲斐軍団と話してると、ぶっきーが落ち着いた声でこう言った。

柊「今日は皆に、大切なお知らせがあります。」

柊「…今から皆さんは人質です。」

一瞬クラスが静寂に包まれた後、ドッと笑い声が響いた。

勿論私もそのうちの一人だ。

逢沢「人質ってどういう事ですか？」

柊「俺の目的が達成されるまで、皆には人質になってもらう。」

そう言うと涼音と香帆がぶっきーをからかう、隣にいる唯月が苛立ったような声で

諏訪「もしかして、卒業に関する大事なことってこれ？」

と聞くと、ぶっきーは肯定した。

甲斐軍団が帰ろうと後ろのドアを開けようとすると、ぶっきーが止めた。

柊「ドアは開かないよ、特殊な鍵をかけたからね」

と言うと、甲斐がキレて、ぶっきーに殴りかかった。