カタオモイ02 ページ26
「Aって、見たことあんの？」
不意に話しかけられ、すぐに視線をパソコンへやった。
「え、あ、レイターズ？」
「基本毎日投稿してんねんで。知ってた？」
「うん。いつも頑張ってるなぁって思ってる」
凄いなぁとも思ってる、口が裂けても言えないけど下心も少しはある。
「へー、そうなんや…見てないと思ってた。恥ずかしいけど、なんかちょっと嬉しい」
そう言って、子供のように無邪気に笑ったしんちゃん。
「Aが見てると思うと俺も頑張ろうと思える」
それを聞いていたかめむしとサイバがニヤニヤしながら「イチャつくなや」って茶化してきた。二人の言葉に、ふと鋭くなる彼の瞳。
「そういうのいいって」
不機嫌な様子で言い放ったしんちゃんに笑う彼等だけど、こういうのを見るたびにやっぱりまーちんとは違うなと思う。あたしとそういう風に見られるのは嫌なのかなと、少しセンチメンタルになったその瞬間。
「もー！あんた達さっさとくっ付いちゃいなさいよ！」
語尾にハートを付けたまーちんの声が部屋に響く。その言葉と共にドンと背中を押された。物凄い勢いで体が傾き「きゃあ！」と悲鳴を上げてあたしはしんちゃんの懐に飛び込む。驚いた顔をした彼も、急に突っ込んできたものだから反射的にあたしの体を受け止めた。大きな波に飲まれるように彼の匂いに包まれ、背中にしんちゃんの手が触れた時、その感触に一気に顔が熱くなる。
「もーー。まーちん、やめぇや」
咄嗟にかめむしが注意する声が聞こえた。耳から飛び出そうなほどドクドクと鳴るあたしの耳障りな心臓。それに混ざって聞こえてくるのはきっと、彼の激しい心拍数。
「いいじゃない、別に」
「良くないわ。危ないやろ！」
「ボケーっとしてるから悪いのよ」
開き直ったまーちんに、あのなぁ！と言い返すかめむし。恥ずかしさを誤魔化すように笑って「ごめん」と彼から離れた。「全然ええよ」って顔を逸らした彼の、耳の先が絵の具で塗ったように赤い。腕に触れた指先の感覚に、お腹の下の方がきゅうと締め付けられる。苦しい。
「まーちんってほんま無茶苦茶やわ。二人共大丈夫やった？」
尋ねてくるかめむしに、あたしはきっと泣きそうな顔で笑い返したと思う。途端に、目の前にいたかめむしの表情が曇った。
「ちょ……どうしたん…？どっか痛かったん？」
不安そうにあたしを覗き込んでくる彼から顔を背け、ただ頭を振った。だってどこも痛くないし、何も悲しくないのに何故か無性に泣けてくる。我慢しようと息を止めても、喉の奥から漏れた嗚咽に押されてぶわっと涙がこぼれ落ちた。
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匿名(プロフ) - ゆさん» お返事遅くなりました。嬉しいコメントありがとうございます！実は私もお気に入りな、そらクイズです ^ ^ カップル設定はあまり書かないので、たまには仲良しもいいかなと思ってクイズ形式にしました（笑）また近々そらクイズかけたらな〜と妄想を膨らませています (2019年10月29日 0時) (
レス) id: ffeb5d68ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - そらクイズが好きすぎて何回も見に来てしまいます…！ (2019年2月4日 10時) (レス) id: 2e24e32ba3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - 渡邊琥覇紅さん» あ、気が合いそうですね！これは少々マニアックかしら…( ﾟдﾟ)と不安だったので、凄く嬉しいです^ ^ 私もジン君はこういう事して笑ってそうと思ったので、書いてて楽しかったです。でも実際されたら速攻別れると思います！メッセージありがとうございました！ (2017年4月30日 20時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
渡邊琥覇紅(プロフ) - 匿名さん» いっくんをからかうの、凄くよかったです!!読んでて可愛いって思いましたw ジンくんの沈溺プレイ、一番好きです!ジンくんっぽいな、と思いました。更新楽しみにしてます！ (2017年4月30日 13時) (レス) id: 8dd5b17f5a (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - 荒黒#*.ｍｉｔｕｋｉさん» ヒカルさんって書こう書こうと思えば思うほど出てこないのに、たまに天から脳内にエピソードが降ってくるように話を思いつくタイプの人です^ ^あと、ついつい髪の毛いじっちゃうんです（笑）個性的で似合ってますよね^ ^メッセージありがとうございました！ (2017年4月25日 17時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名
| 作成日時：2017年3月1日 22時
