怒ってますか？°Tsurime ページ21
楽しそうな顔をしてる空の横顔と、彼に負けず劣らずウキウキしてるあたしの顔が店のガラスに映ってる。少し薄暗くしっとりしたテイストのこの店はツリメが働いてる個室の居酒屋。
あたかも知らぬふりで店に踏み入れば、あたし達に気付いてギョッとした顔をしたツリメが駆け足でこちらに近寄って来る。苦い顔をしてるツリメのバイト先に来たのは数ヶ月ぶりだ。
「店員さーん、空いてますか？」
ふざけた様子でツリメに尋ねる空に、彼はなんとも言えない表情をした。「二人でーす」あたしがピースをみせて笑えば、ちらりと店長らしき人の方を見たツリメは溜息混じりにどうぞと言う。彼の後ろでガッツポーズをした空。
「あんた達二人はわざわざ俺がいるときに来るでしょ」
「わざとだよ」
「あたしはツリメが働いてるとこ見たかった」
「もー、やだ。バイト先教えるんじゃなかった」
嫌そうな顔であたしと空を個室に案内するツリメの、全身黒でまとまった制服姿にあたしは惚れ惚れする。黒地に映える金髪と、広い背中。いつ見てもいい。
「それメニュー、注文決まったらそこのベル押して」
あたし達を個室に案内したツリメが部屋の隅にある冊子を指さす。座敷に腰かけた空がヘラヘラしながらツリメを見上げた。
「こんな雑な店員居ないよ」
「うるさいな。生でいい？」
ツリメの言葉に空が頷く。「了解、ごゆっくり」パタンと音を立てて扉が閉まって、小さな欠伸をしながらメニューを手渡してきた空にあたしは恐る恐る尋ねた。
「ねぇ、急に来たからツリメ怒ってるんじゃない…？」
「違う違う。照れてるだけだよ」
幼馴染の貫禄というやつか、アッサリした返事で気にもしていない様子の空は、何頼む？と尋ねてくる。
「本当かなぁ」
「ほんとほんと」
「…やっぱりあたし気になるしちょっと見てくる」
「えー、いつも通りだったって。いいから早くご飯食べたい」
「空は友達だからそう思うの！」
そう叫んで立ち上がった瞬間、「ビールお待たせ」と個室に入って来たツリメにあたしは静かに元の位置に戻った。タイミング悪すぎ。
「何騒いでんの」
「だって空が……」
「俺のせいじゃないでしょ」
「注文決まった？」
机にビールを置いた彼の顔を見ずに頭を振る。
「オッケー、決まったら呼んで」
ゆっくりと閉まった扉。空がニヤニヤしてこちらを見てるのが見なくても分かる。うーんと悩むふりしてメニューに隠れていったあたしは顔を隠したまま呟く。
「……空の言う通りだった」
「でしょ」
ふふんと鼻を鳴らした彼にさすが幼馴染みだとあたしは笑う。
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匿名(プロフ) - ゆさん» お返事遅くなりました。嬉しいコメントありがとうございます！実は私もお気に入りな、そらクイズです ^ ^ カップル設定はあまり書かないので、たまには仲良しもいいかなと思ってクイズ形式にしました（笑）また近々そらクイズかけたらな〜と妄想を膨らませています (2019年10月29日 0時) (
レス) id: ffeb5d68ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - そらクイズが好きすぎて何回も見に来てしまいます…！ (2019年2月4日 10時) (レス) id: 2e24e32ba3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - 渡邊琥覇紅さん» あ、気が合いそうですね！これは少々マニアックかしら…( ﾟдﾟ)と不安だったので、凄く嬉しいです^ ^ 私もジン君はこういう事して笑ってそうと思ったので、書いてて楽しかったです。でも実際されたら速攻別れると思います！メッセージありがとうございました！ (2017年4月30日 20時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
渡邊琥覇紅(プロフ) - 匿名さん» いっくんをからかうの、凄くよかったです!!読んでて可愛いって思いましたw ジンくんの沈溺プレイ、一番好きです!ジンくんっぽいな、と思いました。更新楽しみにしてます！ (2017年4月30日 13時) (レス) id: 8dd5b17f5a (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - 荒黒#*.ｍｉｔｕｋｉさん» ヒカルさんって書こう書こうと思えば思うほど出てこないのに、たまに天から脳内にエピソードが降ってくるように話を思いつくタイプの人です^ ^あと、ついつい髪の毛いじっちゃうんです（笑）個性的で似合ってますよね^ ^メッセージありがとうございました！ (2017年4月25日 17時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名
| 作成日時：2017年3月1日 22時
