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邪悪なシナリオ ページ21

【目線なし】



A「────私を殺すんですか……?」



この私の能力を完全に理解しているのは私以外に皆無。

つまり首領は私を此処で殺せば首領自らが死ぬ事を知らないのだ。

Aは一人そう覚った。




Aの掠れた声が喉から零れて情けなく、殺風景かつ陰湿なこの空間に響いた。

過去に愛娘と言った親代わりは今やAに唯、軽蔑の視線を送るだけだった。




しんと静まり返った空間に森が放った言葉は、殺される事を確証していたAにとっては衝撃的な事だった。



森「でも私自身、君を疑いたくは無かったし。君を殺そうだなんてさらさら思ってはいないよ。」



Aは目を見開いて己の耳を疑った。



森「第一に証拠が先程言った二点だけだと云うのも君を“二重スパイ”だと断定する証拠としては不十分だからね。」



A「では……私を信じて下さるのですね…?」


Aの瞳からは絶えず涙が溢れ出ていた。

それは安堵からの涙に限りなく近かった。



森「だけれど君には悪いが今回のこの“三者鼎立”が一蹴り着くまでは────。」




────カチャリ。




Aの耳元で聞き慣れたあの音がして、首領では無い声が響いた。

今度は偽者の彼では無く、確実に彼自身が発した声だった。






中也「地下牢への隔離に伴って連行を開始する。」



首領「許しておくれAちゃん。これは私にとっても苦渋の決断だったのだよ。」


Aは銃の恐怖よりもこの素早い展開に恐怖した。



これもまたあの彼の“シナリオ”通りなのだろうか…?

それとも之ばかりは彼にとっても予想外だったのだろうか?



凡脳のAには検討もつかなかった。


Aは今、この絶望に精神を殺られ感傷に浸ることしか出来なかった。




Aの腕を後ろから中也が強く掴んだ。

以前なら考えられない力加減であった。



中也「早く歩け、日が暮れるだろうが。それとも運んでもらいてェのか“囚人”の分際で。」



“囚人”という言葉がより一層Aの心を深く抉った。

今の首領との会話は全て聞かれていたと思うときっと彼もAの事を“裏切り者”と認識しているに違い無かった。




Aは来る時よりも重い足取りで首領室を出た。

大勢の構成員に付き添われながら地下牢へと続く道に着いた。



一方某地に潜伏する彼が紅茶を片手に微笑んだのを未だ誰も知らない。

決別と隔離→←富と代償



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(プロフ) - 飽き性さん» ご丁寧なご指摘ありがとうございます(/Д`;応援ありがとうございます(^^♪頑張ります! (2018年8月1日 13時) (レス) id: 85af478746 (このIDを非表示/違反報告)
飽き性(プロフ) - 本編の方で福沢が福澤になってますよ。この小説大好きです!通知来る度うきうきしてます!無理せずこれからも更新頑張って下さい! (2018年7月31日 2時) (レス) id: 7dd1ea514d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 雪奏さん» お気に召して頂けた様で大変嬉しく思います(^^♪どうか最後までお付き合い下さい(^ ^) (2018年7月25日 19時) (レス) id: 85af478746 (このIDを非表示/違反報告)
雪奏 - すごく面白いです!応援してます!壁|ョ・ω・`o)ガンバッテッ♪ (2018年7月22日 22時) (レス) id: edf769ece4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - #祭鼓*@harigaya mako*さん» 応援のコメント大変嬉しく思います!最近仕事の方が激務を増して今して忙しいので更新が滞っていますがどうか最後まで読んで頂ければと思っております(^ ^) (2018年6月18日 23時) (レス) id: 85af478746 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えりんぎそーまっち | 作成日時:2018年6月9日 18時

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