バイオレットフィズ【ロロノア・ゾロ】 (ページ10)

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「お待たせしました」

ゾ「おう、ありがとう」

作ってきたのは、グリーン・アラスカ。

お口に合うといいな…

ドキドキしながらゾロさんの感想を待ってると、ゾロさんは一口飲んで私をキラキラした目で見る。

ゾ「うめぇなこの酒。」

「ほんとですか…！よかった、口に合って。」

ゾ「これなんて言うんだ？」

「あ、これはグリーン・アラスカです。作るのが比較的簡単なんで、酒屋さんなら誰でも作れると思いますよ。」

ゾ「へぇ…」

ぐびぐびと飲むゾロさん。

結構度数あるのに…よく飲むなぁ。

…って言っても、私も飲んでも飲んでも酔わないから結構飲んじゃうんだけどね。

「ここ、綺麗ですね」

ゾ「ん？あァ…海好きなのか？」

「うーん…特別好きでも嫌いでもなかったんですけど、こうやって見てると…落ち着きます。」

ゾ「慣れりゃ、こんな揺れる船内も心地よくなるもんだぜ」

「そうなんですね…」

あ…ゾロさんもしかして、私が寝れないのわかって出てきてくれたのかな？

心地よくなるのか…その前にきっと私は帰っちゃうけど、帰るまでの間に海が好きになれそう。

こんなに夜の海が綺麗なことも、この世界に来るまで気づけなかった。

「ゾロさんは海、好きなんですか？」

ゾ「そりゃまぁ、海賊だからな。海が好きじゃなきゃやってられねぇよ」

「そっか…」

ザザン、と波の音が聞こえて…

静かな風が吹く。

ゾロさんも私も、何も喋らなかったけど、その空間は心地よかった。

この時間がずっと続けばいいのに…って、ちょっとだけ思ったり…しちゃった。

ゾ「…酒、ありがとな。そろそろお前も寝ろ」

私の持っていたグラスを持って、立ち上がるゾロさん。

もう、上に戻っちゃうのかな…？

「…あ、あの！」

ゾ「ん？」

「…また、眠れなかったら…ここに来てもいいですか？」

ゾロさんは、口角を上げたと思えば、私に背中をむける。

ゾ「好きにしろ」

…また、来てもいいんだ…！

「おやすみなさい…！」

ゾロさんは、背中を向けたまま手をひらひらとさせて、行ってしまった。