麦わら帽子に夢を見る【ONE PIECE】 (ページ8)

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episode 8 ページ8

「はい、これで大丈夫。」

私は、被害者の店主にお金を渡す。

『あぁ…Aちゃんありがとう！』

「いいえ、海軍ですから。じゃ、次の街行くよ」

海「え、あの…少将、彼ら海賊の様ですが…」

私がそのまま、この場を去ろうとすると海兵たちが呼び止める。

海賊なんてのはわかってる。

この街で見たことない顔だし、何より…さっきの食い逃げは恐らく麦わらのルフィ。

アーロンパークを陥落させたことで懸賞金のついた海賊だ。

アーロンパークで、彼らに何があったかは知らない。

でも、アーロンは市民を人質にとるような卑劣な海賊だった。

それを倒して、何がいけなかったのだろう？

市民を恐怖から救ったことは確かなはず。

それに…過去に何があったかなんて知らない。

私は見てない。

「…私たちの使命は、この島の市民を守ることだけよ」

海「はい…？」

「彼らはこの島でなにか悪さした？食い逃げの分のお金は払ったし、暴れた訳じゃない。捕まえる理由がないじゃない」

海兵2人は、一度も顔を見合わせた後、ぱっとこちらへ向いて敬礼をした。

海「はっ！！俺たちずっとAさんについて行きます！！」

「そりゃ、私に一度ついたら他の上司のとこなんて行かせてやんないからね！自分の部下持つまでは私の部下よ」

ほら行くよ、と私が2人を連れて次の場所へ行く。

私は、部下にもこの島の市民にも恵まれて、今すごく幸せだ。

自分の信念を貫くことが出来る環境で、本当に……

ル「おいお前！」

お前って、私のことだよね？

海賊の彼に呼び止められ、私は振り返った。

ル「ありがとな！お前良い奴だな」

「そりゃどうも！くれぐれもこの島で暴れないでよ、海賊さん」

ル「あぁ！この島良い奴ばっかりだからな」

そりゃ、海賊を受け入れられる市民の人達だもん。

良い人ばかりの、自慢の島。

ル「俺モンキー・D・ルフィ！よろしくな！」

よろしく…って、おかしな人。

私は海軍で、彼は海賊なのに。

本来私は捕まえる立場で、彼は捕まえられる立場。

「ふふ…私は海軍少将のA。よろしくね、ルフィ」

ルフィか…。

やっぱり、私の予想通り彼は悪い人じゃなかった。

海「…少将、なんだか嬉しそうですね」

「んー？いい友達できたからね」

海「少将の感覚にはいつもついていけねぇなぁ」

「何よ、文句ある？」

海「いや？ねぇっすよ」

私は、この島と、この島の市民と、自分の部下が大好きだ。