麦わら帽子に夢を見る【ONE PIECE】 (ページ31)

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episode 31 ページ31

「…て、いうことなんだけど…」

私は、ベッドに座って、部屋に集まった皆に話をする。

私の今までのことと…これからのこと。

サ「そんなことがあったのか…」

私は今まで、皆に過去のことなんて話してこなかった。

ましてや、みんなが離れていた2年の間に勝手に仲間になってた、元海軍の私。

特に説明もなかったのに…皆は快く受け入れてくれた。

ウ「初めて会った時にもめてた中将が今この島で人質とってるってわけか…」

ナ「ちょっと待って、その人質の部下たちがこの島にいるかどうかはわからなく無い？遠い島かもしれないじゃない？」

「いや、その可能性は低いと思う。中将は“お前を連れ戻さなきゃ殺されちまう”って言ってたから…」

サカズキの考えなんて、いつも予測不能だ。

だから、自分が考えうる中で最悪のシナリオを想像する。

…きっとそれが、サカズキの出した結論。

「…恐らく、期限内に私も連れて行くか死亡報告をしないと…この島にいる海賊たちもろとも、人質と中将を消すつもりなんだと思う」

ロ「私もその可能性が高いと思うわ。バスターコールね…」

この島は、私の育ての海賊たちが言うには私の故郷だ。

でも、この島に何があったのか私は何も…知らない。

私の親が誰なのかもわからない。

だから…この島も、私の部下たちも、消されてたまるもんか。

「…皆の力を、貸して欲しい。せめて部下だけでも助けたい…！」

部下たちは、私の為に「海軍に戻らないで」と言ってくれた。

あの子たちは、私がどんな性格か知ってるからだ。

中には、私の生い立ちを知ってる者もいる。

私のことを最後まで思ってくれた皆に、“上司”の私が背中向けて逃げる訳にはいかないじゃない。

ゾ「部下を救うのはいいとして…海軍はなんでそこまで執拗にお前を連れ戻そうとすんだよ。」

「それは…」

ゾロの核心をつく一言に、私は言葉が詰まる。

ゾ「……それが言えねぇなら、俺は手を貸すことはできねぇな」

サ「てめぇ…Aちゃんにだって言いたくないことくらいあるだろ」

…ずっと、考えてた。

海軍はなぜ私が欲しいのか…

更に、「戻るか、死ぬか」の二択という中将の言葉がずっと引っかかっていた。

そして、気づいたの。

海軍が欲しい力は“私”じゃない。

「…サンジくん、いいの。話すから…」

これは、仮説。

でも…サカズキの考えることなんてこれしか、思い当たらない。

私は、ゆっくり話を始めた。