麦わら帽子に夢を見る【ONE PIECE】 (ページ28)

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episode 28 ページ28

(ルフィside)

目を、疑った。

だってAは強いから。

海軍で人の上に立って、部下を守ってただけある。

多分能力なしの喧嘩したら、俺といい勝負するんじゃねぇかなと思う。

それくらい…Aは強い。

だから、まさかこんなところで倒れてるなんて思わなかった。

ル「A…！！死ぬんじゃねぇぞ！！今チョッパーのとこ連れてくからな！！」

俺は必死で、Aをおぶって来た道を引き返す。

このままじゃやばい。

血を流しすぎて、Aが倒れていたところは一面雪が赤く染まっていた。

早く、チョッパーに診せねぇと…！

Aは、俺がおぶった時にはもう意識はなく、だらん…と力なく落ちる腕。

ル「まだダメだぞA！！行くんじゃねぇぞ！！」

俺は走りながらも、必死にAに叫び続ける。

意識はないから聞こえてないかもしれないけど…

でも、こうしないとAがどっか行っちまう気がして。

冬島だから寒いはずなのに、汗が出てくる。

早くしねぇと、早く…！！

がむしゃらに走るけど、Aには負担がかからないように…これ以上、血を流さないようにしねぇと。

走り始めて10分も経たない時。

街の入口から船の方向へ走り続けると、少し先にアイツらの姿が見える。

少し吹雪いてて、あんまり前見えねぇな…。

ル「おーい！！俺だ！！チョッパーいるか！！？」

チ「ルフィー！！！Aの匂いもするぞ！！！」

チョッパーは、少し離れたところからみんなを乗せて走ってきた。

よかった…チョッパーがこっちに来てくれたことが何よりの救いだ。

ル「チョッパー！Aがやべぇんだ！！早く助けてくれ！！」

チ「うわっ！！A！！？これは酷い…！！とりあえずここで応急処置をしてから船へ運ぼう！！」

チョッパーにAの姿を見せると、チョッパーは目を丸くして、顔を真っ青にする。

他のみんなも同じような反応をする。

ナ「やだ…！？A！？なんでこんなことに…」

チ「話は後だ！！とりあえず止血しないと…」

チョッパーはカバンから布を取り出して応急処置の止血を始める。

ル「なぁチョッパー！！Aはまだ生きてるよな！！？」

チ「あえて言うなら今は仮死状態だ…！！早く治療しないと…急ごう！！」

チョッパーは、Aを背中に乗っけて走り出す。

俺たちもそれに続く。

仮死状態…ってことはやっぱり相当やべぇんだ。

死ぬなよ…頑張れ、A…！