麦わら帽子に夢を見る【ONE PIECE】 (ページ19)

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episode 19 ページ19

「うー…寒っ」

サニー号の、展望室。

今日の見張り番は私で、毛布にくるまりながら外を眺める。

さっきまではゾロが修行してたけど、今日は早めに寝ちゃったし…暇だなぁ。

それに、外は冬の気候帯。

ナミが言うには、恐らく次の島は冬島らしい。

気候帯がかなり安定してきてるって言ってた。

「冬島かぁ…」

実は、私の生まれた島も冬島。

でもまぁ…ほとんど覚えてないけどね。

幼い頃に海軍に入っちゃったし、親の顔すら覚えてない。

生まれ故郷の名前だけは知ってるけど。

「…オリオンタウン」

そこは、とても星が綺麗に見える島だと言う。

グランドラインの新世界にあって、その島に降りると星の綺麗さに圧倒される、とセンゴクさんから聞いた。

冬島が近づく度に、生まれ故郷に帰ってきたのではないかと期待する。

まぁいつも期待外れなんだけどね。

ぼーっと外を眺めていると、私は遠くに何かをとらえた。

もしかして、と思い双眼鏡を手に、それを覗いてみる。

「…やっぱり！」

それは、島だった。

ポツポツと明かりがついてるのを見る限り、人が住んでる島らしい。

まだかなり遠いけど…！

私は展望室から降りて、小走りで男子部屋へ向かう。

そして、そーっと扉を開けて、いつもの場所へ。

肩をトントン、と叩くとガバッと起き上がる。

「…ルフィ、島！」

私が小声で声をかけると、ルフィはみんなを起こさぬよう、目だけをキラキラ輝かせて急ぎ足でベッドを降りる。

私が見張りのとき、島とか見つけると必ず起こすからルフィも慣れたもん。

ル「しましましま！！どこだ！？」

男子部屋を出ると、ルフィは船首の方へ走っていく。

「ほら！かなり先に…ってまたルフィ薄着じゃない！」

ル「え？あぁ…さぶっ！！！！」

「バカ…一日に二度も毛布かけることになるとはね」

私はルフィの肩に毛布をかける。

冬の気候帯で、こんな格好で寝られるのルフィだけだと思う。

ル「ししっ、いーじゃねぇか。こうやってくっつけばあったけぇぞ～」

「また！？もう…寒いからいいけど」

私はルフィにされるがまま、昼と同じような体勢で二人一緒に毛布にくるまる。

島は見えてるけどまだかなり離れてるから、着くのはきっと朝日が昇る頃。

ル「Aの故郷だといいなー、えっと…おり、」

「オリオンタウンね」

ル「それだ」

故郷かどうかはわからないけど…

きっとこの島も、楽しくなるに違いない。