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登校日の次の日の午後。
私は学校近くの川沿いの、夏の朝顔の
ううん、夏の朝顔だけじゃない。
ウラジロヤナギの大木のたくさんの葉が、よく分からない蔦が、よく分からない緑が、ぐるぐるにその壁を囲んでいる。
川のほとりにひっそり佇む、
まるで森の服を着ています、みたいな喫茶店。
そこにいた。
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昨日の登校日の夜、猪狩からメッセージが届いた。
謎のグループ「猪狩会」。
他のメンバーは作間くん。
時を置かずにまたスマホが光った。
「明日の14時、ここに来て」
お店の位置情報と一緒に。
よく分からないけれど、何だか楽しそう。
それは夏休みの終わりの小さな贈り物みたい。
初めて入るこの森の服の喫茶店に、私はわくわくしていた。
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猪狩と作間くんは窓際の川を眺められる席に先に座って、私を待っていた。
『ごめん、お待たせ？…こんな素敵なお店知らなかった、森みたいで面白いね！』
「でしょ？なんかジブリみたいで、たまに来る」
「Aちゃん、こんにちは」
普段通りの猪狩と、丁寧に挨拶してくれる作間くん。
こんにちは作間くん、昨日はありがと、って笑顔で返すと、
作間くんは「…うん」って、嬉しそうに笑い返してくれた。
川からの風が吹いて、窓を通って店を踊ってドアから帰っていく。
森みたいなこの喫茶店は、私が入ってしばらくしても店員さんが来ない。
何でだろう。
忙しいのかなとも思うけれど、他にお客さんはいない。
でも、それも面白く感じる。
やる気はないけどその分遠慮はいらないから、
って目を細めて笑って訳知り顔をする猪狩。
よく来ているみたいだ。
『それより今日どうしたの？何かあったの？』
「や、特に何って訳じゃないんだけど。A、お祭り行くって」
『うん、楽しみ！3人で行くんだよね？』
そこまで話して、いらっしゃいませ、ってようやく来たニコニコのお店のおじさん。
おじさんが開いてくれた、味のあるぼろぼろの革の表紙のメニューを開くと、
私の目にすぐ飛び込んできた文字があった。
それはクリームソーダの文字。
夏だから。
あと少ししかない夏休みだから。
きっと爽やなメロンソーダが似つかわしい。
吹き抜ける川風とクリームソーダで、
今すぐ夏を感じたい。
今すぐに。
私は、その場ですぐにクリームソーダをお願いした。
けれど。
「ごめんね、今クリームソーダ品切れしてて…」
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冷麦(プロフ) - らぐさん» コメントありがとうございます！ 高橋くんて「青春が服着て歩いてる」って思っているのでそのあたり表現出来たらなあと書いたので…すごく嬉しい感想をありがとうございます！2つめのほうもとても腑に落ちる言葉で嬉しいです、大切に読ませて頂きました！ (2020年4月22日 19時) (
レス) id: 5b6161b271 (このIDを非表示/違反報告)
らぐ(プロフ) - 冷麦さんが書く少し寂しい静かな作間くんも好きですが、青春臭く、キラキラとした優斗くんも大好きです！長くなってごめんなさい、これからも体調に気をつけて更新頑張って下さい^_^ (2020年4月21日 22時) (レス) id: 63299f834d (このIDを非表示/違反報告)
らぐ(プロフ) - 更新ありがとうございます！なんて言うんでしょう....すっごく青春を感じました、！！真っ直ぐな優斗くんも、優斗くんが大好きな主人公ちゃんも、不器用なお父さん(笑)もみんなが愛おしく、あーこんな気持ちも味わってたなーという懐かしく、温かな気持ちになりました。 (2020年4月21日 22時) (レス) id: 63299f834d (このIDを非表示/違反報告)
冷麦(プロフ) - りおさん» りおさん、ありがとうございます！完結しました！ ウキウキワクワクして読んでくださったなんて嬉しいです！私もその言葉につられてウキウキしてしまいました。本当に嬉しいです…！更新へのお心遣いも嬉しい…素敵な感想をありがとうございました！ (2019年9月18日 11時) (レス) id: 5b6161b271 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 完結おめでとうございます！短編集のはずなのにメンバーのストーリーがリンクしていると言うか、次の話のメンバーが出てきて次はこの人なのか！！とウキウキワクワクしながら読んでました！冷麦さんの作品すべてが好きです！これからも更新頑張ってください！ (2019年9月18日 9時) (レス) id: 65c270f629 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷麦
| 作成日時：2019年8月27日 15時
