SI 2-3 ページ26
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「欲しいものって、そんなの分かるわけないじゃん。俺ゆうぴじゃないし」
それは2週間前の水曜日の放課後。校門前の蔵を改装したカフェで、龍斗は私に目もくれずそう言い放った。
夏季限定のクリームソーダはもうメニュー落ちして頼めないから、ミルクティと抹茶ラテ。
相変わらずクリーム盛り盛りのワッフルを細長い指で切り分けて楽しそうに食べている。
ここまで結構悩んだ。
だって付き合って初めて迎える誕生日のプレゼント。
高橋くんの喜ぶものがいいのに浮かばない。だからこうして相談してるのに。
本当にこいつは相談のしがいがない。剣もほろろ。幼なじみなのに。
私たちが付き合いはじめてから、高橋くんと分かりやすく仲良くしてつるんでいるから、何か知らないかって聞いているのに。
…ううん、こいつはこういうやつだった。
さながら悪魔、だった。
「…あ、写真あげたら？撮ってあげる。おまもりだよ
、って渡せばいい」
『写真って、なんの』
「Aの。」
ものすごい名案が浮かんだ、みたいな顔をしてそう言うけれど、どこの世界に自分の写真を彼氏に誕生日プレゼントだよって渡す女がいるの。
そんな自意識過剰なこと、できるわけない。
ばか。
うっすら微笑む無駄に綺麗な顔の龍斗の口もとは、やっぱりあの楽しそうな雰囲気を纏っている。
私を軽くからかって楽しんでいるんだ。本当にブレない。さながら悪魔は変わらない。
真面目に考えてよって怒る私に龍斗は更に爆弾を投下する。
「…じゃあ、キスでもすれば？」
『バッ…き、キ…』
真っ赤になってそれ以上何も言えない私をあの三白眼で見ている。
控えめなくせにありありと楽しそうな光を湛えたその目は。
…やっぱり悪魔。
『バカ、龍斗！』
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冷麦(プロフ) - らぐさん» コメントありがとうございます！ 高橋くんて「青春が服着て歩いてる」って思っているのでそのあたり表現出来たらなあと書いたので…すごく嬉しい感想をありがとうございます！2つめのほうもとても腑に落ちる言葉で嬉しいです、大切に読ませて頂きました！ (2020年4月22日 19時) (
レス) id: 5b6161b271 (このIDを非表示/違反報告)
らぐ(プロフ) - 冷麦さんが書く少し寂しい静かな作間くんも好きですが、青春臭く、キラキラとした優斗くんも大好きです！長くなってごめんなさい、これからも体調に気をつけて更新頑張って下さい^_^ (2020年4月21日 22時) (レス) id: 63299f834d (このIDを非表示/違反報告)
らぐ(プロフ) - 更新ありがとうございます！なんて言うんでしょう....すっごく青春を感じました、！！真っ直ぐな優斗くんも、優斗くんが大好きな主人公ちゃんも、不器用なお父さん(笑)もみんなが愛おしく、あーこんな気持ちも味わってたなーという懐かしく、温かな気持ちになりました。 (2020年4月21日 22時) (レス) id: 63299f834d (このIDを非表示/違反報告)
冷麦(プロフ) - りおさん» りおさん、ありがとうございます！完結しました！ ウキウキワクワクして読んでくださったなんて嬉しいです！私もその言葉につられてウキウキしてしまいました。本当に嬉しいです…！更新へのお心遣いも嬉しい…素敵な感想をありがとうございました！ (2019年9月18日 11時) (レス) id: 5b6161b271 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 完結おめでとうございます！短編集のはずなのにメンバーのストーリーがリンクしていると言うか、次の話のメンバーが出てきて次はこの人なのか！！とウキウキワクワクしながら読んでました！冷麦さんの作品すべてが好きです！これからも更新頑張ってください！ (2019年9月18日 9時) (レス) id: 65c270f629 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷麦
| 作成日時：2019年8月27日 15時
