World of dark Ⅳ (ページ5)

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no side

少年は白い、白い場所に閉じこもっていた。
自分の拠り所である組織が潰れ、4人が死に、誰もいなくなったその時から。
自らを肯定してくれる人を求めて1人静かに泣き、泣いて、それから思いついた。

自分を否定する人がいなくなれば。
こんな思いはしなくて済むよね？
だから少年は彼らのもとに現れ続ける。
嫌って、嫌ってそして嫌われて。
その上で彼らを上から見下ろせば、どんなに気持ちがいいだろう。
だから、幸せなんて二度と語れなくしたくて、あの日、あのタイミングであの場所に行ったのに。

「…………」

なんで。
なんで俺が逃げ帰ってんだよ。
お前らが泣いて、それを見て、楽しむ、はずだろ…？

「…んだよ、あいつ…くそっ………くそっくそくそくそくそ…あ゛ぁっ…」

ラウールの真っ直ぐな、凪いだ視線が痛かった。
怖かった。
すぐさまその場から逃げ出したいほどに。

少年は座るということも忘れて立ち尽くした。
逃げた自分への怒りを、彼らへの憎しみに変えて、ただ足を、肩を、その体のすべてを震わせて、いろいろな手段を考えた。

どうすれば彼らを苦しませられる？
なんなの、あの顔。
君たちはつつけば簡単に崩れればいいの。
俺の思い通りにならないお人形も、俺の考えを理解してくれない「力」持ちも、いらないの。

白いあの子は、特に。
死んでしまえばいいの。
ああ、それから、俺の駒たちを潰しちゃった悪い子たちも。
蒼い子と、紫の子と、翠の子も、黒い子も。
俺が殺すんだよ。