第14話 ページ14
ハリーside
この数日、ダンブルドアが迎えに来てくれますようにと願い続けていた。
にもかかわらず、今はとても気まずい。
ダンブルドアとホグワーツの外で会話をしたことがなかったし、最後に面と向かって話し合った時、散々怒鳴ったばかりかダンブルドアが大切にしていた物を幾つか力任せに打ち砕いた。
しかし、ダンブルドアの方はまったくゆっくりしたものだった。
姿現しをするからとダンブルドアは左腕を差し出した。
ダンブルドアの杖腕は、肉が焼け焦げて落ちたかのように黒く萎びているのにプリベット通りで気づいていたが、ダンブルドアはまだ理由を話してはいない。
気がつくと全てが闇の中だった。
四方八方からぎゅうぎゅう押さえつけられている。
息が出来ない。
鉄のベルトで胸を締め付けられているようだ。
目の玉が顔の奥に押し付けられ、鼓膜が頭蓋骨深く押し込められていくようだった。
そして…
冷たい夜気を胸一杯吸い込んで、涙目になった目を開けた。
たった今細いゴム管の中を無理やり通り抜けてきたような感じだった。
暫くしてやっと、プリベット通りが消えていることに気づいた。
今はダンブルドアと二人でどこか寂れた村の小さな広場に立っていた。
「大丈夫かな？この感覚には慣れが必要でのう」
「大丈夫です。でも僕は箒の方が良いような気がします」
ダンブルドアは微笑んで、きびきびした歩調で歩き始めた。
空っぽの旅籠や何軒かの家を通り過ぎた。
近くの教会の時計を見ると、ほとんど真夜中だった。
ダンブルドアは古い同僚を引退生活から引っ張り出し、ホグワーツに戻るよう説得に来たらしい。
僕はどんな役に立つのか皆目検討がつかない。
色々話をしながら、僕らは小綺麗な石造りの庭付きの小さな家に近づいていた。
ダンブルドアが急に立ち止まった。
ダンブルドアの視線を辿り、きちんと手入れされた庭の小道の先を見て愕然とした。
玄関のドアの蝶番が外れてぶら下がっていた。
「ハリー、杖を出してわしに着いてくるのじゃ」
ダンブルドアは門を開け、僕をすぐ後ろに従えて素早く、音もなく小道を進んだ。
そして杖を掲げて構え、玄関のドアをゆっくり開けた。
ダンブルドアがルーモスを唱え、杖先に明かりが灯り、狭い玄関ホールが照らし出された。
左側のドアが開けっ放しだった。
杖灯りを掲げ、ダンブルドアは居間に入っていった。
僕はすぐ後ろについて行く。
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真昼 - 最高でした！！一気読みしてしまいました！サラザールが好きなので、とても嬉しかったです！！ (8月27日 7時) (
レス) @page22 id: cd0b763249 (このIDを非表示/違反報告)
箱 - 素敵な作品ありがとうございます (8月10日 11時) (レス) id: 4edc0c80af (このIDを非表示/違反報告)
夜彩(プロフ) - ありがとうございます！これからもゆっくり更新していくので、どうか最後までお付き合いください！ (2023年3月23日 10時) (レス) id: bd39633a4b (このIDを非表示/違反報告)
イジー - 続編！おめでとうございます！全ての話が面白いです、これからも頑張って下さい！ (2023年3月23日 10時) (レス) @page2 id: c288b38476 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜彩 | 作成日時：2023年3月22日 16時
