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___32話___ ページ32









神威「俺、一旦船に荷物置いてくるよ。この辺りで待っててくれる?」

「はい、このお店見て待っててもいいですか」



綺麗な髪飾りや装飾品が置いてあるお店を遠慮がちに指さすと、何故か嬉しそうに「分かったすぐ戻る」と姿が見えなくなった。



「綺麗…」



似合わないのは分かってるし 欲しいわけじゃないけど、こういうキラキラした髪飾りを見てるのは好き。



『そちら、今シーズンとっても人気なんですよ』

「へ、へ〜」

『お客様はお綺麗なので、きっと映えてお似合いだと思いますよ。ご試着もぜひ』



店員さんに話しかけられるのは苦手だけど、褒められるのはお世辞でも嬉しい。

ちょっと舞い上がってしまって、被っていたフードを外し、鏡の前で横髪をとめてみる。



「可愛い…」

『わ〜やっぱりとってもお似合いです。レジでお預かりしておきましょうか?』

「あ、いえ、他のもまだ見てみます」



危ない買わされるところだった…
しばらくこの店を離れずに、アクセサリーを見ながら神威さんを待っていた。

フードのことなんか とっくに忘れて。



『君、ちょっと通報があって来たんだけど、話聞いてもいいかな?』

「え…?」



肩を叩かれて 神威さんだと疑わずに振り向けば、知らない男の人と女の人、しかも今確かに「通報」だと言われた。



「な、なんですか急に」

『少し前に、近くの町で行方不明になってる女の子が居てね、似てる子が居るって この店の人から通報があったんだよ』

『とりあえず、身分証とか確認しても平気?』



どうすればこの人達を撒けるのか、考えているうちに腕を掴まれてパニックになりそう。



「今は持ってなくて…でも、わ…私違います」

『悪いんだけど、一応話を聞かせてもらわないといけなくてね。ここだと目立つから一旦署まで移動しようか』



絞り出すように発した声が震えて、更に疑われてしまいそう。宥めるように話しかけられてもそれどころじゃない。

腕を振り払い逃げ出そうとすれば逆効果で、押し込まれるようにパトカーへ乗った。



「神威さん!」



ドアを締められる一瞬、こちらへ向かって来る神威さんが遠くに見えた気がした。





___続編___→←___31話___



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さな(プロフ) - 鈴さん» わわありがとうございます!(;;)誰かの救いになればと台詞を書いているので、そう言って頂けたり、鈴さんの励みになれたのがとても嬉しいです(∩´∀`∩) (2019年12月12日 19時) (レス) id: e49a683dbf (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 24話、神威さんの必死に生きてればこんなことだってあるさ、という言葉に励まされました(´;ω;`)キャラクターの一言一言が優しさと切なさを感じられて大好きです。 (2019年12月11日 23時) (レス) id: cc01498415 (このIDを非表示/違反報告)
すてーき(プロフ) - さなさん» や、優しいかよ (2019年11月4日 21時) (レス) id: 6bb493e780 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - すてーきさん» ありがとうございます。゚(゚^ω^゚)゚。夜はしっかり8時間以上眠ってくださいね…!()更新頑張ります! (2019年11月4日 21時) (レス) id: e49a683dbf (このIDを非表示/違反報告)
すてーき(プロフ) - まじ神作すぎます!更新楽しみで夜しか眠れませう、応援してます! (2019年11月4日 20時) (レス) id: 6bb493e780 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな | 作成日時:2019年10月6日 7時

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