___30話___ ページ30
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「神威さん お願いがあります。怒らないで聞いてくれますか?」
神威「"殺して"以外なら聞いてあげるよ」
それを聞いてドキドキした心臓を落ち着かせながら
「…地球に、降りたいです」
そう一言 震える声を絞り出せば、三つ編みを結う手をピタリと止めて、探るような目で私を見つめる。
神威「どうしてまた急に。俺と居るのがそんなに嫌だったの?」
「そうじゃなくて!」
いつもの笑顔じゃない。大人がよくする愛想笑いのような作り笑顔が 少し怖い。
「買いたいものがあって…」
神威「なんだそういう事。いいよ、なんでも買ってあげる。何が欲しいの?」
「あの、女の子の用品を毎回買わせるのは、流石に恥ずかしくて…だから私も降りたいんです」
貴方へのプレゼントを買いたい ってネタばらしは言いたくないし、そもそも神威さんのお金で買うものをプレゼントと呼んでいいのか分からないけど…
今ならなんとなく降りる事を許してくれそうな気がして。
神威「うーん、Aが選びたいって事だよね」
「はい…」
神威「A、俺のこと好き?」
「? …好きです。あ、逃げたりしません!」
何を探ろうとしてるのかに気付いて、神威さんの手を握る。
神威「そう…約束してくれるならいいよ」
「はい。絶対」
真剣に頷けば、やっといつもの柔らかい笑顔に戻って ほっとした。
神威「だけど頻繁には降ろしたくないから、この一回で沢山買い溜めしようね」
「勿論です」
神威「あと、また変装もした方がいいね」
確かに、神威さんは大悪党ですもんね…と言いかけ、『Aを他の奴の視界に入れたくないんだよね』なんて言葉に遮られて
この人やっぱり素質が…というか誘拐犯なんだなぁと頭の端で考えていた。
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さな(プロフ) - 鈴さん» わわありがとうございます!(;;)誰かの救いになればと台詞を書いているので、そう言って頂けたり、鈴さんの励みになれたのがとても嬉しいです(∩´∀`∩) (2019年12月12日 19時) (レス) id: e49a683dbf (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 24話、神威さんの必死に生きてればこんなことだってあるさ、という言葉に励まされました(´;ω;`)キャラクターの一言一言が優しさと切なさを感じられて大好きです。 (2019年12月11日 23時) (レス) id: cc01498415 (このIDを非表示/違反報告)
すてーき(プロフ) - さなさん» や、優しいかよ (2019年11月4日 21時) (レス) id: 6bb493e780 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - すてーきさん» ありがとうございます。゚(゚^ω^゚)゚。夜はしっかり8時間以上眠ってくださいね…!()更新頑張ります! (2019年11月4日 21時) (レス) id: e49a683dbf (このIDを非表示/違反報告)
すてーき(プロフ) - まじ神作すぎます!更新楽しみで夜しか眠れませう、応援してます! (2019年11月4日 20時) (レス) id: 6bb493e780 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さな | 作成日時:2019年10月6日 7時