藍色の誘拐犯【神威】

___3話___ 神威side ページ3

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神威｢阿伏兎…空から女降ってきた｣



しっかりと抱きかかえたその体は思いのほか軽くて、月に照らされた固く閉じた目と、頬にうっすら見える涙の跡に 何故か凄く惹かれた。



阿伏兎｢降ってくるのは俺も見たが…｣

神威｢全然動かないけど死んでるのかな。あ、でも息はある｣



いきなり起きた出来事に戸惑っていると、この場所を嗅ぎつけた別の警察らが向かってくる足音に気付いて、抱きかかえたまま停めてある船の方へ再び走り出す。



阿伏兎｢おい、嫌な予感がする。やめてくれよ｣

神威｢流石 勘が鋭いね。連れて帰ろうかなって｣



言った途端、隣でうるさく騒ぐ阿伏兎は、いつもみたいに俺が頑固な事を忘れてるらしい。



神威｢この女が欲しくなったんだよ。
月から落ちてきたみたいだし ロマンチックだろ？｣

阿伏兎｢おーおー 寒気がするぜ｣



納得させるような理由なんて言えないから、おとぎ話のような話をこじつければ、肩を竦めた後すぐ諦めたらしい。

なんだか後から可笑しくなってきて、自分でも笑ってしまった。欲しくなったのは本当だったけど。







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