藍色の誘拐犯【神威】

___18話___ ページ18

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｢おかえりさない｣

神威｢ん、ただいま｣



神威さんが目を瞑ったと同時に口付けた。

仕事へ出る時と 帰ってきた時にキスをする事、これが今は 私達の日課になった。
最初は少し抵抗があったけど 段々と好きになってる。キスも…神威さんのことも。



｢…軽い女みたいですよね｣

神威｢何が？｣



羽織っていた外套を脱ぎながら 視線を向けてくる。



｢ちょっと優しくされたからって、神威さんのこと気になったりとか、こんな…｣

神威｢別にいいんじゃない。きっかけなんか どんなものでも｣

｢だけど｣

神威｢俺がAにとって 最後の男になれば問題ない｣



また何ともない顔で恥ずかしい事を言ってきた。
もじもじしていると抱き寄せられて、気持ちを揺さぶられる。



｢怖いです 好きなものを増やすのは。神威さんもいつか、私の前から居なくなりますか｣

神威｢大丈夫、ずっと一緒に居るよ｣

｢…嘘つき｣



まだ嘘かどうか分かんないでしょ って笑われた。

だって、私は今までその結末しかなかったから。
簡単に信じてはいけない。期待なんかしたら最後は傷付くだけ。それが私のモットー。



神威｢こういう所だったら、それくらい疑い深くても良いけど…｣

｢こういう所？｣

神威｢あー…ほら、俺って殺し屋だから｣

｢そうなんですか？｣



何かを隠そうとしてる気がして、じっと見つめていると考え込むように黙る神威さん。



神威｢ここがどこなのか、知りたい？｣

｢…はい、あと神威さんの事も知りたいです｣



やっと、答えを聞けるみたい。





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