東海オンエア短編。 (ページ7)

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え？まさかのAちゃんの言葉に聞き返してしまった。彼女は、俺の方を向き俯いてもう一度言った。

『キスがしたいです…ダメですか？』

「え、いや…ダメじゃないけど。」

てつやさんが口ごもらせる。
やっぱり乗り気ではないみたい、辛くなってくる。
涙が溢れだしそうになるのを堪えて、てつやさんを見つめる。

「Aちゃん…、」

どうしちゃったの？！
前回と打って変わっての積極性。俺的にはとても嬉しいんだけど、何でそんなに辛そうな顔してるの？

今にも泣きだしそうな、無理して頑張ってくれてるの？

いいのに、俺は。いつまでも待つから。

「Aちゃん、無理してるでしょ。
そんな顔されたらしたくても出来ないよ。」

てつやが苦笑いをうかべ、Aの頬を優しく包む。

彼に断られ、ゆっくりと自分から手が離れていく。このまま一生触れられないんだ、と感じ咄嗟にてつやさんに抱きついた。

『いや…です。
わたし、ちゃんとてつやさんの彼女になりたい。』

「え？」

『もう一度、私のこと好きになってもらえませんか…。』

Aちゃんが涙声になりながら俺に抱きついてそうに言った。何を言ってるのか意味が分からなかった。

「えっーと、Aちゃん？
俺はAちゃんのことすげー好きなんだけど。」

嘘です、と間髪入れずに彼女から否定される。

『まず、今日はてつやさんと手を繋いでないですし、甘えてきてくれないじゃないですか！』

「え。」

『私から甘える行為？をしても
乗ってきてくれません！』

「んー？
甘える行為してた？」

思い当たる節がなくて笑いながら言うと
してましたよ！と少し顔を赤らめて返された。

『後は、キ、キス…してくれませんでした！』

「……Aちゃん勘違いしてる。
っていうか俺も勘違いしてた。」

Aが訳が分からない、と言った顔をするのでそのまま話し続ける。