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次の日の朝のことだった。






「 松野くんと別れたってほんと!?」

「 …っ、えっと…?」






いつも通り…ではないけど教室に入れば
目をキラキラさせて声が嬉しそうな子。



あーお前、人の不幸喜ぶタイプね。



いつも通りじゃないのは
ちふ、…松野くんと一緒に登校しなかったこと。


だって、あいつは場地と付き合ってんだから!!



ギリっと鋭く隣の隣の席の場地を見つめれば、
いつも通り背筋を伸ばしてメガネ姿だった。


お前のせいだ、ばーかばーか!!!






「 ウチが貰ってもいい!?」

「 えっと…っ、」

「 てか答えられないってことは、
別れたってことだよね?違う?」






圧。


圧がすごい。



確かに場地と付き合えって言ったのは自分で、
よく考えてみると自分勝手だなわたし。


どう答えるのが正解なのか分からなくなってると、


『 えー?なに?誰と誰が別れたって?』


にっこりと、笑う千冬の姿があった。




違う、松野くん。






「 えー俺、次、君に貰われんの?」

「 えっっっ、いいってこと!?」






きゃっきゃと嬉しそうな女子。

その隣では優しく微笑む千冬の顔。




その顔に心臓が、ぎゅっ、て痛くなる。

それも全部わたしのだったのに。
千冬の、ばか!!嫌い。



溢れそうな涙を我慢して、
席に着こうとすると、ぐいって腕を引っ張られて、

気づいた時にはだいっすきな香りに包まれていて。






「 良いわけねーだろ、ブス 」

「 …っえ、」

「 俺を貰っていいのは、こいつだけだわ 」






後ろから、ふわっと、優しく抱きしめると、
わたしの肩に顎を置いて辛辣な言葉を並べた千冬。


目の前の子は口をぽかんと開けたまま、
わたし達を見つめていて、クラスもざわざわ騒ぎ出す。






「 こいつを貰っていいのも俺だけ 」

「 別れたんじゃ…っ!!」

「 あー?ふざけたこと言ってんじゃねぇよ 」






お怒りモードの千冬さん。とりあえず、落ち着いて。






「 こいつ、俺のことだいっっっっっすきだから 」

「 は、はあ?別に好きじゃ、」

「 黙れ、キスすんぞ 」






悔しそうに教室を出ていった女子を、
可哀想、そう思いながら千冬の香りに安心した。







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千冬推し! - かっこいい!!!!最後のところとかジーンってする!もうめっちゃ好きい!!!!!! (11月25日 17時) (レス) @page19 id: 2875f094c4 (このIDを非表示/違反報告)
千冬〜 - 4ぬうカッコ良すぎる (11月25日 16時) (レス) @page1 id: 2875f094c4 (このIDを非表示/違反報告)
きい - キュンキュンしました!千冬大好きなんでもう本当に良かった!!!!!!!めちゃドキドキした!!!千冬大好きいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!! (11月24日 9時) (レス) @page13 id: 811719e6bf (このIDを非表示/違反報告)
うさ - めちゃくちゃきゅんきゅんしました…やばいです… (11月21日 20時) (レス) @page20 id: 1fc943b7af (このIDを非表示/違反報告)
のあ - よかったです千冬くんの可愛いさがもっと可愛い見えて来ましたなんかありがとうございます (4月30日 19時) (レス) @page1 id: fc0f03648c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆた | 作成日時:2021年8月4日 1時

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