番外編 Memories of my 16 years old ページ35
「花野さん、やっぱり全教科トップ3に入ってくるね。」
「もう先生に色目使って問題教えてもらってんじゃないの?」
「あー、ありえる、自分が美人なのわかってそうだし、そういうの無駄なく利用してそう。」
「真面目そうでいつも1人でいる子は先生から目にかけられやすいし。」
「あ〜、計算高いね〜」
…またなんか言ってる。
あたしの試験の成績は、ただの勉強の成果なんだけどなぁ。
なんとなく耳に入った声を聞きつつ、読んでいた小説のページをめくった。
勝手に色仕掛けする子、計算高い子と他人から評価されています、花野A、高校1年生です。
ちなみに色仕掛けができるほど器用じゃないし、特段先生に目もかけられているわけではない。ただの一生徒である。
「てか聞いた?花野さんて中学の時からバンバン男遊びしてたって!」
いや、バンバン遊んでた女が地元一の進学校くるか?
「まじか〜、やっぱ物静かな美人はヤリマンて法則性あるよね〜」
誰が提唱したんだよその法則性。
「まぁ、女使って成績残してるような人は東大には受からないでしょ〜」
「このまま行けば私の方が合格の勝算あると思うわ〜」
「わかる〜」
…久々に、なんか頭にきた。
いつも聞こえるように噂話をされても、1人でそれにツッコミを入れて特段気にもしていなかったけど…。
いつもちゃんと勉強して、自分の努力で身につけたことを否定された気分で珍しく腹が立つ。
一応、それがあたしのプライドなんだけど。
あたしはパタンと本を閉じて、そんな話をしていた女供のそばまでズカズカ歩く。
その子たちは「やば、聞こえてた!」みたいな顔をしてあたしを見ていたけど、そんなんどうでもいい。
ただあたしはその子たちのそばで少しだけ立ち止まる。
「…人の成績を男に媚びた結果だと僻んでるやつらに勝算もくそもないんじゃない。」
低い声でそう言い放った後の凍りついた彼女たちの顔を見て小さく冷笑し、その場を通り過ぎた。
「つーか女が女使って何が悪いんだよ。」
と、独り言を呟いた。
こうして高校1年生のあたしは是が非でも東大に現役合格することを心に誓うのであった。
そしてこの後あたしは、年齢を重ねるごとに女の使い方も覚えてしまい、結局尻軽だのなんだのという噂は事実と化した。
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なぁ(プロフ) - 咲良さん» そう言って頂けると嬉しいです。ありがとうございます、楽しみにしています! (2019年2月19日 21時) (レス) id: 14a8b3f8b0 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - なぁさん» いえ、とても素敵なテーマです、是非考えさせて下さい。せっかくだし川上さんオンリーからみんな目線も考えてみたいので、短編集などで登場させたいと思います!本当にありがたいお話です! (2019年2月19日 21時) (レス) id: e819abafbc (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - よくよく考えずとも、お返事頂けた嬉しさで調子に乗っておりました…。いつかの機会に、気が向いたら程度に思ってください。すみませんでした…! (2019年2月19日 17時) (レス) id: 14a8b3f8b0 (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - 咲良さん» ご検討有難うございます!こちらこそ、図々しくすみません。むしろ、別作品なんて良いのでしょうか??泣いて喜ぶんですが…(;・∀・) (2019年2月19日 13時) (レス) id: 14a8b3f8b0 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - なぁさん» ごめんなさい、前言撤回します。いただいたテーマ、私の文章力では1話にとどめられそうにありません。また別の作品として描かせていただくことは可能ですか? (2019年2月19日 0時) (レス) id: e819abafbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲良 | 作成日時:2018年11月24日 20時