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最後は花を花瓶に生けて川上さんとオフィスを出る。
みんなを前に上手に言葉を紡ぐのは難しかった。
だから、粋な演出と見せかけてただ花言葉を借りて気持ちを伝えただけなんだけど。
みんなはそれを、嬉しそうに聞いてくれたからよかった。
でも、川上さんにはちゃんと言葉で伝えたいことだらけ。
「川上さんの家行ってもいいですか？」
「いいよ。」
彼はあたしの手を握りいつも通りの道を進む。
彼の家に着くと自分の家くらいの安心感を覚えるのは、最近あたしの私物を置きまくっているからだろうか。
2人でソファーに腰掛け、缶のお酒を飲みながら他愛もない話をした。
「あたし、1年前よりは喋るの上手くなりましたよね。」
「まぁ、口数は増えたね。思ってることがちゃんと外に出るようになって来た。」
「全部みんなのおかげですね。」
今まで友達なんていらなかった。
1人の方が楽で、誰かと話すのは面倒。
その方が読書も進むし勉強も捗った。
普段喋らない分自分のキャラクターが伝わらず、すぐに噂の的になっていた高校時代。
有る事無い事、印象の良いことから悪いことまでたくさん言われて来たけど、否定もせず肯定もせず生きてきた。
「川上さんには、1番感謝してます。」
彼の目をちゃんと目を見て、感謝を伝えたかった。
「…あの時川上さんが助けてくれて、話を聞いてくれて、受け止めてくれて。しかも、倒れるくらい抱え込んだ馬鹿なあたしをQKに誘ってくれて、居場所を作ってくれて、感謝してもしきれません。」
「本当にライターになってほしかっただけだよ。」
「その上、あたしの嫌なところ全部知った上で、好きになってくれたし、こうしていつも一緒にいてくれるじゃないですか。」
みんなの中に入って気づいた。
あたしは周りに興味がなかったし、自分が人に迷惑さえかけなければ他人なんてどうだってよかったのに。
自分をわかってくれる人がいることが、どれだけ心強いか。
自分以外の誰かに関心を持つことが、こんなに楽しいものなのか。
恋愛で一喜一憂するのも悪くないんだって、ちゃんとわかった。
1年色々あったけど川上さんのおかげで、幸せだった。
「見える世界が今までとまるで違うんです。全部川上さんおかげです。」
「大袈裟。」
川上さんは照れ隠しをするように呟き、お酒を口にした。
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なぁ(プロフ) - 咲良さん» そう言って頂けると嬉しいです。ありがとうございます、楽しみにしています！ (2019年2月19日 21時) (
レス) id: 14a8b3f8b0 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - なぁさん» いえ、とても素敵なテーマです、是非考えさせて下さい。せっかくだし川上さんオンリーからみんな目線も考えてみたいので、短編集などで登場させたいと思います！本当にありがたいお話です！ (2019年2月19日 21時) (レス) id: e819abafbc (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - よくよく考えずとも、お返事頂けた嬉しさで調子に乗っておりました…。いつかの機会に、気が向いたら程度に思ってください。すみませんでした…！ (2019年2月19日 17時) (レス) id: 14a8b3f8b0 (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - 咲良さん» ご検討有難うございます！こちらこそ、図々しくすみません。むしろ、別作品なんて良いのでしょうか？？泣いて喜ぶんですが…(；・∀・) (2019年2月19日 13時) (レス) id: 14a8b3f8b0 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - なぁさん» ごめんなさい、前言撤回します。いただいたテーマ、私の文章力では1話にとどめられそうにありません。また別の作品として描かせていただくことは可能ですか？ (2019年2月19日 0時) (レス) id: e819abafbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲良 | 作成日時：2018年11月24日 20時
