大好きな人は。2

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「お待たせしてすみませんっ！」


花「そんなに走ってこなくても、大丈夫なのに。」

と笑いながら、
遅刻した私を待っててくれた花井さん。


花「こういう仕事はさ、
時間で約束するの難しいってわかってるから。」


「ほんとに、ごめんなさい。」


花「謝らないでいいって。行こ。」


先を歩く花井さんの後を着いていく。


信号待ちで立ち止まったとき。

花井さんがこっちを見て
その手が、私の髪に触れた。


花「髪、切ったんだね。

すごくかわいい。」


「あ、りがとうございます。」


そんな私達を、通り過ぎるタクシーの中から
西島さん達がが見ていたなんて、知らなかった。


花井さんは優しいし、
食事の時も豊富な話題で会話も尽きない。



ご飯を食べて、少しドライブをして、
別れ際、
家の近くまで送ってくれた花井さんに、


「今日はありがとう。
ごちそうになってしまって、すみません。」


花「そんなのいいよ。また、誘ってもいい？」


「花井さんが、よければ。」


花「その、花井さんっての、やめようよ。

友達、だろ。」


「えっと、じゃあ…亮介さん？」


花「固いなぁ…。」


「亮介くん？」


と呼ぶと、
花井さん、いや、
亮介くんの顔がほんのり赤くなる。


花「やべぇ。それ。ドキドキしたわ。」


「えっ…！」

花「本当は家まで送りたいけど、
まだ、そこまで受け入れてもらってないと思うから、ここで、ね。

じゃ、また。
連絡するね。おやすみ。」


そう言って、亮介くんは行ってしまった。

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