検索窓
今日:153 hit、昨日:376 hit、合計:256,999 hit

ページ6

『………無理ですね。それは』


急速に熱が冷めていくのがわかる。
といってもCare前の体温に戻っていっているだけなのでなんの心配もない。


Safe wordを言われた訳でもないのにこうもすぐ冷静になれるのは私がかなり高位のSubだからに他ならない。


「んあー。やっぱダメか」

『やっぱりじゃないですよ。Care中にパートナーの申し込みなんて、人によっては出禁ですからね?』

「ははっ。でもAは出禁にしないじゃん。俺のこと好きだもんなあ?」


目元に弧を描きながら、にんまりと挑発的な笑みを浮かべる彼。出禁の可能性を示唆されたとは思えないほど余裕が見られるのは彼が100歳を超える(本人の口から語られただけなので真偽は不明)からなのだろうか。


『まあ好きですけど、調子に乗り続けたらさすがに出禁にしますよ』

「んー、待って。好きって言われて嬉しい気持ちとガチで出禁にされそうで焦ってる気持ちで心が追いついてないから。あと出禁はマジでやめてください!!!!」

『はぁ…。そこで今回みたいなことはもうしませんって言えたら良いんですけどねぇ…』

「あー、それは無理やね。約束できないわ」

『自信満々に言わないでくださいよ…。まあ、正直すぎる方がこちらとしても身構えられるのでまだ良いですけど…』


もしも小柳さんとのCareが気持ちよくなくて、優しく接してくれるいい人じゃなかったら私は聞く耳持たず出禁にしていたことだろう。


え?私情入ってるじゃないかって?社会人としてそれはどうかって?そんなもんでしょ、仕事付き合いって。今日お話ししたこの職員が気に入ったから取引しよう、この子はできる女みたいた見た目をしてるから期待しちゃうみたいな感じで。


『とりあえず今からどうしますか?』


小柳さんも理性が戻ってきているだろうし、冷めてしまった幸福感を少しでも取り戻すために抱きつきながら聞いてみれば、困ったような顔をしながら撫でられた。つまり抱きついてくれて嬉しいってことだ。私も撫でられて嬉しい。


「あー、ちょっと背中向けてくんね?」

『……?わかりました』


言われたとおり背中を向ければ、体の後方が温かくなる。お腹に細身ながら筋肉がしっかりついていることがわかる男らしい腕を回され、ギュッと抱き締められた。


『んっ、……』


後頭部から首筋にかけてなにかが触れ、くすぐったくて思わず声を漏らす。

▽→←▽



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (528 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2295人がお気に入り
設定タグ:2j3j , mct-a , 東西ヒーロー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

苹果(プロフ) - 紅刃さん» ありがとうございます!ご期待に添えるように執筆、頑張らさせていただきます! (3月30日 23時) (レス) id: 6a3e3959ff (このIDを非表示/違反報告)
紅刃(プロフ) - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (3月30日 23時) (レス) @page7 id: 147f4e35b6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:苹果 | 作成日時:2025年3月30日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。