【MCT-A】相性抜群ですがあくまでお仕事です！

一方通行独占欲 ページ25

「はあ〜〜〜！！あっぶなっ！！！」


人が近くにいないことを確認し、オレ＿伊波ライは思わずぎゃんっと叫んだ。


あぶな、あぶな、あぶなっ！！


本当に危なかった！！


「なんであんなにかわいいわけ……？」


両手で頬を押さえながら脳裏にべっとり貼り付いているかわいいあの子を思い出す。


ぴょこぴょこ動き回る姿はひよこのように愛らしくて、こちらを伺っていじらしく見つめてくる視線は普段より幼く見え、仕事モードの時は目に見えるほど一線を引いているのに甘えるモードになると撫でてくれないの？と期待する様は懐いた猫のよう。


緩みきった笑顔に癒されて、とろりと蕩けた姿は甘美でその白い肌に噛みつきたくなってしまう。


全部、ぜんぶ、かわいいあの子。
頭のてっぺんからつま先まで、どんな時でも、どんな場所でも、余すことなくかわいいかわいい＿＿オレの”Sub”


とろとろに溶けてるくせに、頭なんて全然回らないだろうに、なんで俺が疲れてることに気づくかな？
あの子の前ならかわいこぶるけど、疲れてる姿を見せるのはなんだか情けなくて化粧で隠したつもりなのに。


正気の時もかわいいとか、ほんと、意味わからないくらいかわいいな？
かわいすぎて思わずキスしそうになっちゃったよ全く。もしあの時Aちゃんが声をかけてくれなかったら欲望のままキスしてたかもしれない。


ただでさえこちとら初対面が客だったせいでパートナーの条件から強制的に外されてるんだ！
出禁になったりなんかしたら自分が何するかなんてわからない！Aちゃんに迷惑をかけたいわけじゃないんだオレは！
客としての行ってみないかと紹介されなかったら出会えてすらなかったかもしれないし初対面が客としてだったことに今更後悔なんて…後悔なんてないけどっ！


……というか、あの時の不安そうにオレの名前呼ぶ声も表情もかわいかったな。


脳内で保存してロックかけとこ。なんかキモいこと言ってる気がするけど、かわいすぎるんだから仕方がない。


精一杯オレを癒そうと奮闘する姿も本当にかわいかった。
正直あの時点で、なんなら挨拶した瞬間から癒されてはいたけどつい意地悪したくなって揶揄っただけなのになんであんなにオレがほしい言葉を、行動をくれるのか。しかもそれが計算じゃないときた。


「あ〜、ほんとっ…」


＿ｼﾞｯ


《『こらっ。お客さんの迷惑になることはしちゃダメって言ったでしょ』》


かわいいなぁ………

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