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「ってかあの先輩……先輩って言うのもなんだか癪ですけど…」
『こら、お口が悪いよ』
「ごめんなさい。…あの先輩、結局どうなるんですかね？」
お互い予約してくれたお客さんの対応が終わり、スタッフルームで暇を持て余しているとふと後輩が呟いた。
先輩とは…まあ十中八九あの打ってきた先輩のことだろう。
『さあ、クビになるんじゃない？』
「あー、さすがにそうですよね…」
これ以上やったらクビになるかも、と脅すようなことを言ったくせにほぼ確信しながら不謹慎なことを言うのにはちゃんと理由がある。
まずは正当防衛でもなく、また相手を殴るまでは行かずとも同情に値する理由もなく暴力を働いたこと。
私はあの時怒りに任せて煽るような発言はしたが、その前に言いがかりを付けてきたのはあちらだ。
一応非がある私もあとで注意くらいはされるかもしれないけど、それくらいだと思う。
次にあの先輩はそこまで売り上げがよくなくて、逆に被害者である私の売り上げがお店で一番いいこと。
先輩の売り上げの方が良かったら、もしかしたら今回の件はもみ消されていたかもしれない。だけどそんなもしもはないし、もし先輩が原因で私が辞めることになったら店側の損害はかなりのものとなるだろう。
更に大人気ヒーロー御用達というブランドもなくなる可能性がある。
私の儲け、ブランドがなくなることのヤバさは私もお店も十分わかっている。
そんなもしもが先輩がクビになることで確率が下がるなら、経営者として迷う理由はないだろう。人気店が良心と同情だけでやっていけるはずがない。
まあ別に、あの人がいるくらいで辞めたりはしないけど……でも、心に来たのは事実だ。
事実無根なことを言われるのも、暴言を吐かれるのも、まあ社会なんてこんなもんだよなと冷めてみてるところがあるので正直そんなに気にしてない。いい人達であるお客さんへの不適切な発言の方がよっぽど不快だ。
でも、それでも……”欠陥Sub”と言われるのだけは心に来るものがある。
ずっと、自分には欠陥があるとわかっていた。DomとPlayをしてみる度に、他のSubを見る度に羨望と嫉妬を煮詰めた気持ちが湧いてくる。
もっと私に欲求があったら、私が高位のSubじゃなかったら、普通にパートナーを作っていたのかなって……。
Subなのに、Subっぽくなれと望まれることなんてなかったのかなって。
なんて、考えたって意味ないのにね。
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苹果(プロフ) - 紅刃さん» ありがとうございます！ご期待に添えるように執筆、頑張らさせていただきます！ (3月30日 23時) (
レス) id: 6a3e3959ff (このIDを非表示/違反報告)
紅刃(プロフ) - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (3月30日 23時) (レス) @page7 id: 147f4e35b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：苹果 | 作成日時：2025年3月30日 20時
