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「ふぅ…、やられっぱなしは嫌だしなあ…」
『……？』
やられっぱなしって……私、何かしただろうか？
むしろ伊波さんのかわいいとかっこいいに翻弄されてばかりいるのだが？
「ねえ、今疲れてるからさ、オレのこと癒して？」
『え、…？』
さっきまでの余裕がない表情はどこに行ったのやら。にんまりとした笑顔を浮かべる伊波さんはまるで天使の皮を被った小悪魔のようだ。
癒して……って、Commandは使わないの？
もしかして自主的に考えて癒せってこと…？
命令の意味があまりよくわからなくて瞬きの回数が不自然に多くなってしまう。
『うぇ、えっと……？』
「ふふっ。Aちゃんが考えて、好きなように癒せばいいんだよ？…できる？」
『……で、できますっ、うん、できる…』
こくこくと頷いてとりゃっ！と勢いに任せ伊波さんに正面から抱きつく。
ぎゅっ〜、といつもより強く抱き締めてみると、ふわりと伊波さんの香りが鼻孔をくすぐった。
「他には？」
『ん、え、えとっ、…』
でも伊波さんはこれだけじゃ満足しないみたいだ。揶揄ってるのかもしれないけど、満足してくれない、役に立ってない、褒めてくれない事実に自身のダイナミクスが刺激され、目をぐるぐる回しながら必死に考える。
『えっと、伊波さんは、いつもヒーローとして私達を守ってくれて…』
「うん」
『忙しくて、大変だと思うのに…元気になれる笑顔をむけてくれて……、伊波さんを見てるとがんばろおっておもえて…』
「うん」
『…だからね、わたしもね、ちょっとでもいなみさんのやくにたちたいの。つかれたらね、わたしがぜったいいなみさんのこといやすから』
「…うん」
『いつもおつかれさま。いなみさんはわたしの”すーぱーひーろー”なの。…まもってくれて、ありがとぉ』
「……。」
よしよしと伊波さんの頭を撫でる。
後半何を言ってるか自分でもよくわからなかったけど、私は撫でられるのが好きで癒されるから、伊波さんも癒されてね〜って、不慣れながら精一杯撫でた。
それから二人して無言なって、部屋にはチクタクと秒針を刻む時計の音だけが響き渡る。
それは、居心地が悪くない静寂だった＿＿＿
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苹果(プロフ) - 紅刃さん» ありがとうございます！ご期待に添えるように執筆、頑張らさせていただきます！ (3月30日 23時) (
レス) id: 6a3e3959ff (このIDを非表示/違反報告)
紅刃(プロフ) - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (3月30日 23時) (レス) @page7 id: 147f4e35b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：苹果 | 作成日時：2025年3月30日 20時
