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◇◆◇
現代でいえばおよそ8時。
私達は無事、産屋敷邸に到着した。
「おはよう。無一郎、A。
今日は天気がいいのかな?小鳥のさえずりが聞こえてくるね」
『はい。雲1つない真っ青な空ですよ!
道中、私達も小鳥の鳴き声を聴きましたしね』
「…お館様、お変わりありませんか」
「ありがとう無一郎。今日は気分がいいんだ」
心配そうに尋ねた師範に、お館様が微笑む。
こうして挨拶するのも2回目だ。
初めて来たときは、師範に叱られたっけ。
挨拶の仕方がなってないとかそんな理由で。
「お館様、折り入ってお話があります」
「継子の件かな?」
「……そうですが、何故ご存知で?」
お館様は隊士の皆を公平に愛されている。
柱ともなれば関わる機会も多いし、更に距離が近いような気がしてた、原作読んでたら。
だけど改めて見ていれば、無一郎のこと大好きなんだなぁって思う。目がそう言ってる。
「杏寿郎がね、昨晩の任務ついでに話しに来てくれたんだ。大体のことは聞いているよ」
『あ、兄貴がか……』
なるほど言いそうだ。
やっぱりどこまでも兄貴だなぁ。
「2人が決めたこと。もちろん容認するよ。ただ、少し話したいからAは残ってほしい」
『御意』
「では、失礼します。…変なことしないでね」
『私をなんだと思ってるんすか』
これ以上ないほど心配そうな顔をしながら、師範が退室。部屋に2人だけになった。
前に来た時も思ったけど、ここは空気が違う。
神聖なだけじゃなく、重いんだ。良い意味で。
鬼殺隊本部として何百人もの人間をまとめ上げ、鬼の殲滅に全力を注いでいるからか、ここは何か違う。特別なんだ。
「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。
ただ少し話したかったんだ、あの子のことを」
『…師範のことですか?』
「そうだ。あの子の過去は知っているかい?」
『はい。
大丈夫です。霞は必ず晴れるから』
じゃなきゃ私はここにいられない。
希望がなければ忘れられる事に耐えられない。
未来がわかるからこそ、選べる道だ。
『まだ先です。大きく2つの山がある。
その山は先日お話した通りです。上弦の』
「…そうか」
宇髄さんが今度の決戦で引退するのは伝えた。
何としてもそれは避ける。
でも、師範の記憶については伝えてない。
『でも、必ず取り戻せます』
大丈夫だ。
無一郎の"無"は無限の"無"。
有一郎は無一郎の中で、今も生きているから。
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さつむいこん(プロフ) - ハイキュー!!さん» 今日1日で向こう1ヶ月分の喜びを感じた気がします、コメありがとうございます! むいちろくん可愛いっすよね…っ!スーパーエンジェルになってもらえるよう精進します、更新のんびですが見守ってやって下さいな…!! (2021年6月15日 22時) (レス) id: dc07c220d6 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー!! - もう、更新楽しみすぎます!無一郎天使!遊郭に炭治郎いないの痛いですねぇ〜勉強頑張ってくださいね! (2021年6月15日 20時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいこん(プロフ) - 澪凪さん» 澪凪さんっ! コメント本当活力になります、ありがとうです〜! またイチャつかせますので発狂しちゃって下さいね(( (2021年4月19日 23時) (レス) id: dc07c220d6 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - 〜〜〜〜〜っ!!ヤバいです可愛すぎて発狂しそう…!! (2021年4月18日 23時) (レス) id: a0ad16ec48 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいこん(プロフ) - 星猫さん» 鬼滅&響け!ユーフォニアム&ちびまる子ちゃん……くらいしかまともに見たことないですね。呪術も気になってるんですが乗り遅れてしまってて(;^ω^) (2021年3月29日 22時) (レス) id: dc07c220d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さつむいこん | 作成日時:2021年3月22日 21時