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「鳥の名前。鳴いてるでしょ?」
『あっ、小鳥の?』
耳に手を当てて音を聞く。
こういう時、善逸はどう聞こえてるんだろ、こんな小さな声もうるさかったりするのかな。
まぁ私はそんな五感は持ち合わせてないから普通に楽しんだ。令和の世界でも聞いたことがありそうな平凡な泣き声だけど、心地いい。
この時代に飛んでからなかなかゆっくり小鳥のさえずりを聞くなんてこと、なかったから。
「多分だけど、綺麗な鳥だったよ。青色の」
『ほへぇ、今度しのぶさんか誰かに本借りよ』
この世界において、本=しのぶさん。っていう勝手な図式が出来つつある私。しのぶさんに可能性があるのは薬学系の本だけだと思うが。
「…早く行くよ」
『はーい』
何度か「初めまして」を繰り返し、分かった。師範は日によって私に対する態度がまちまちだ。
最後に会った日から当日までの間隔が短ければ短いほど、師範が私に馴れてくれるのが早い。
ということはつまり師範の中には、多少ではあれど私の記憶が残ってるんじゃないだろうか。
だとしたらすごく嬉しいけど、期待はしすぎないようにしなきゃね。外れたときに辛いから。
「ねぇ、何その包み」
『あっ、コレですか?』
ふふふ、持ってきたのだよ。
推しと食べる機会を逃す訳にはいかねぇから。
袋から紙包みを取り出して開けた。
中にあるのは、昨日買ってもらった水ぼたん。
やっぱり2人で食べたくて取っておいたんだ。
「へぇ、美味しそうだね」
『でしょ?一緒に食べましょ!!』
豆だらけの固そうな指がお菓子を摘まむ。
小さめサイズだったからか、一口で師範の口の中に収まってしまった。
朝日を受けて、透明な所がツヤツヤしてる。
一口で食べちゃうのは勿体なくて、少しずつ少しずつかじりながら食べた。
「……食べるの遅いね」
『だって少しでも長く味わいたいですもん』
和菓子なんてそうそうお目にかかれないもん。
食べられるときに堪能しておかなくちゃね。
鬼滅の世界はべつに鬼だけじゃないし。
「そんなのいくらでも買えばいいでしょ」
『私お金持ちじゃないんですよ……』
私の階級は
作中の炭治郎達には遠く及ばないけど、一応それなりのスピード出世組だ。
師範の前じゃ何にも言えないけど。
隊員歴3年弱ですよ、ぺーぺーですよ。
「…帰りに買ってあげるよ」
『ほんとですか!?』
「うん、だから早く歩いてね」
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さつむいこん(プロフ) - ハイキュー!!さん» 今日1日で向こう1ヶ月分の喜びを感じた気がします、コメありがとうございます! むいちろくん可愛いっすよね…っ!スーパーエンジェルになってもらえるよう精進します、更新のんびですが見守ってやって下さいな…!! (2021年6月15日 22時) (レス) id: dc07c220d6 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー!! - もう、更新楽しみすぎます!無一郎天使!遊郭に炭治郎いないの痛いですねぇ〜勉強頑張ってくださいね! (2021年6月15日 20時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいこん(プロフ) - 澪凪さん» 澪凪さんっ! コメント本当活力になります、ありがとうです〜! またイチャつかせますので発狂しちゃって下さいね(( (2021年4月19日 23時) (レス) id: dc07c220d6 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - 〜〜〜〜〜っ!!ヤバいです可愛すぎて発狂しそう…!! (2021年4月18日 23時) (レス) id: a0ad16ec48 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいこん(プロフ) - 星猫さん» 鬼滅&響け!ユーフォニアム&ちびまる子ちゃん……くらいしかまともに見たことないですね。呪術も気になってるんですが乗り遅れてしまってて(;^ω^) (2021年3月29日 22時) (レス) id: dc07c220d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さつむいこん | 作成日時:2021年3月22日 21時