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『おばちゃん、これちょうだい』
「あいよ、えらい大荷物だねぇ」
『へへ、買いすぎちゃった』
思い立ったら即行動人間はこちらです!
ってくらいの荷物を抱えて店を出た。
背中に1つ、両腕に2つの大きな包み。
少しばかり買いすぎちゃったかな?
『いや…だって全部必要だしさぁ……』
それにしても重いのである。
まぁ自ら撒いた種だから何も言わぬが。
『へぶっ』
「あっ、すみません…………。
何なの君。歩くときくらい前見なよ」
『霞柱様!
初めまして。Aっていいます!』
「別に聞いてないけど」
『ふふ、何回だって言わせて頂きます』
まずは1回目。
今日の無一郎くんとの「初めまして」。
「…知ってるみたいだけど、時透無一郎」
『はい、よく存じ上げてます』
「ふぅん、そっか」
興味無さげな、端的な応答。
それだけでも、ものすごく嬉しいの。
むいくんとお喋り出来ることが幸せ。
戦場の情報通達みたいな義務的なのじゃなく、商店街での平凡な会話が楽しい。
「で、何その荷物」
『次の任務の準備です』
「それ全部持って帰るの?」
『勿論!あ、その前に本部に行きます』
「へぇ奇遇だね」
『霞柱様も産屋敷邸へ?』
「うん、長期任務の結果報告」
そこで急に腕が軽くなった。
抱えてた風呂敷包みが持ち上げられる。
大きな包みが2つ、むいくんの腕に。
彼は軽々と片腕で抱えて歩き出した。
「早くしないと日が暮れるんだけど」
『い、いやでも柱に荷物持たせるなんて』
「君が鬼に襲われるとか寝覚め悪いし」
ここにもいた、思いのまま生きる人。
私の話なんかたぶんもう聞いてないな。
スタスタ歩いて行っちゃうから、
私も必死の早歩きでなんとか追いつく。
むいくんのが圧倒的に背が高いから、
話すときは必然的に上を向いちゃう。
私の推しは下アングルもカッコいい。
『それでね、瓢箪が割れて……』
『居座りすぎてしのぶさんが……』
基本私が一方的に喋ってるだけ。
別にそれが苦なわけでもないし、
インパクトは残したいからとにかく話す。
ペラペラ喋っていたら、
少しずつだけどむいくんが反応してくれるようになってきた。
「ああそれか。僕もやってたな」
「胡蝶…あぁ、髪飾りつけてる人?」
「君は?瓢箪割れるの?」
『はい、全集中常中は会得してます』
「階級は?」
『
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さつむいこん(プロフ) - 楪日織さん» もう26位まで落ちてるわ…、見たかったな。忙しいのにわざわざ報告ありがとう〜! (2021年7月1日 21時) (レス) id: dc07c220d6 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - 鬼滅タグランキング今1位だよすごい……!おめでとうさつむいこん!! (2021年7月1日 20時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいこん(プロフ) - ハイキュー!!さん» 私にとってはハイキュー!!さんが優しすぎて尊いです。ありがとうございます! (2021年6月15日 22時) (レス) id: dc07c220d6 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー!! - 尊さの塊ですね! (2021年6月15日 19時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - さつむいこんさん» こちらこそ!これからも頑張ってください!応援してます! (2021年5月28日 16時) (レス) id: d652f69505 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さつむいこん | 作成日時:2021年2月7日 8時