いつつ ページ5
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どれほど、そうされていただろうか。
私は吃驚して、すぐには理解が追い付かなかった。
やっと、「抱き締められている」
そう気付いてから、彼の細い胸板を押した。
でも少し離れた距離を詰めるように後頭部を
寄せられて、その胸元に強く右頬がくっ付く。
離さないと言わんばかりにキツく抱き締められれば、
ああ、これは、
許されるまで動くことは叶わないのだろうなと
いくら細いとはいえ、男の人の力は知れてる。
"あの人をかぶせないで
あの人を着せないで
あの人を見ないで私を見てね……"
ああ、店内に流れる有線が、
紫耀と出会ってからの自分みたいだと。
馬鹿みたいに共感して、呆れるくらい聴いていたあの曲
歌詞が耳に突き刺さる
「……鮎川、」
「……うん」
「お前はアユやないで」
分かっているよ
「…………A…って呼んでええか」
私も、あなたも、分かっているのにね
「……うん…いいよ」
分かっているのに
彼だけが、
***
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るじぇ(プロフ) - 久しぶりの更新とっても嬉しいです!!!!!!大変だと思いますが、お話大好きなので続きたのしみです! (2022年10月11日 8時) (レス) @page35 id: a3715a06d4 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - はじめまして!ほんっうにこの作品大好きです!更新お待ちしております! (2021年6月13日 23時) (レス) id: 96ebd3d640 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えだまめ | 作成日時:2019年2月8日 18時