嫁いだ先は2【波羅夷空却】

嫁ぎ先37 ページ2

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二郎side





去年、俺には好きな人がいた



初めは一目惚れで、毎日その人を見つけては目で追うのが習慣だった



しばらくして、3年の放送委員の先輩と知り、すぐに放送委員会に入った

偶然にも当番が被ることが多くて、それがすっげぇ嬉しくて



毎日次は何話そうとか、今日は当番以外でも会えるかなとか




考えるだけですっげぇ楽しかった







そんな中、先輩は俺に相談してきた

自分は将来、好きでもない相手と結婚しなくちゃいけないと


そういう家柄なんだと





俺はその日、人生で初めて失恋した

もし俺が告白して上手く行ったとしても、この人と生涯生きることは出来ないんだ



俺にはこの人と付き合うことが出来ないんだ





そう思った瞬間、目眩とか吐き気が一気に押し寄せてきて


ろくに相談に乗ってやれなかった









そして今日

そんな恋心を忘れかけていたときにその人に会った




久しぶりに会った先輩は、左手の薬指に指輪をしてて

一段と可愛くなってた





極めつけに旦那という言葉






またあの頃と同じような気分になって、そんな自分がすごく嫌だ

先輩がちゃんと好きな人と結婚してる

それを受け止められない自分が本当に嫌いだ





『ありがとう二郎くん！ちょっと借りるね』



｢.....おう｣






あーあ...





スマホ貸さなきゃよかったな...

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