作る私と着る慎 7

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慎side 2024/9



　

A「(ねぇ…)」





キャリーを1つ奪って
コーヒー屋さんに並んでるときだった




『ん？』とAのほうを向くと
俺との距離を詰めて





A「(周りに
中年高身長メガネ靴はエアジョーダンいる？
さりげなく後ろ見てみて)」





まじ？変な奴いんの？



言われたとおりさりげなく見てみたら
…いた





慎「(いる、なんかされたの？)」



A「(乗るときからジロジロ見られて
まじきめぇ、見てくんなって言葉を
なんとか喉で抑えてる)」



慎「(まだちょっと抑えてよっか…
大丈夫かな
俺らが行く方向にいるんだよね…)」





買ったアイスコーヒーを２つ持って
駐車場に向かって歩くけど
視界に入るエアジョーダン男



A側にいるから
並びを変えて通り過ぎた





「あの」



A「(無視)」





え、あ、うん



俺らが通り過ぎてすぐ
話しかけてきた男を
言われたとおりフル無視





「あの、待って」



A「(まだ)」





明らかに俺らに話しかけてて
無視できるレベルを超えてるのに
足が止まらないA



するとバタバタと後ろから足音が聞こえて
咄嗟に振り返ってAを後ろに隠した





慎「なんですか？」



「怪しい者じゃないです」



慎「すみません、怪しいです」



「ちょっと、避けてください
俺は五十嵐社長と話がしたい」



慎「無理です」



A「まこ、危ないからいいよ」



慎「いい」



「経営教えてください」





経営？それが目的？



正直、そこかよって思った





A「適任者は他にいると思います」



「…自分は上手くいってるからって
調子に乗んなよ」





豹変したエアジョーダン男



声はAに向けてるけど
Aに見えないところで
男同士目でやり合ってる





「親の七光がっ！
お前なんて所詮
五十嵐のネームに生かされてるだけだ！」



慎「おい」

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