壱馬の声を聴かせたい 3

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Aside 2023/11





花屋のおばちゃんが
旅行に行きたいから店休みにすると
言い出して元々休みだったこの期間



壱馬のお母さんは
大阪で用事があるからと不在で
川村家にお泊まりする予定だった



壱馬が『会いたい』と言ったから
少し前倒しになったお泊まり



そんな川村家お泊まりも中盤…
初めて壱馬を、壱馬の体力を恨んでる



毎日抱かれれば
さすがに重い腰を起こして
仕事の準備をしてる壱馬の背中に抱きつく





壱馬「おはよ」



A「…おはよ」





私の体を離して
向い合わせで抱き直してくれる



腰に手当てて
さすってくれる優しい手





壱馬「体大丈夫？」



A「ううん」



壱馬「だめなん？」



A「うん」



壱馬「ふっ、ごめん」



A「昨日も聞いた」



壱馬「かわいいAが悪い」



A「人のせいにしないで」





『Aちゃーん、ごめんなぁ』
はい出た、子犬モード



でも子犬モードより
夜に出てくるドSオオカミモードが
好きって気づき始めた自分が怖い



低くていい声で耳元で
囁かれた夜を思い出しちゃう



だめだめだめだめ





壱馬「泣き顔好きなんやもん、許して」



A「反省してないじゃん！」





調子のいい壱馬を見送って
帰りを待つ、そんな生活が終わる頃



世間の注目度は別のものに移ってて
『とりあえずよかった』って
ホッとしてた壱馬



追加記事を出すのに日々奔走してる
記者さんから守ってくれてた1週間だった





A「送ってくれてありがとう」



壱馬「ううん
外出るの我慢させてごめんな

明日からはバイトとかで外出るだろうし
そんときは気をつけて」



A「うん、守ってくれてありがと
お泊まり楽しかった」



壱馬「ふふ
外出たいって思わせないように
毎日抱いてダルくしてたってことにして」



A「後付け感すごー」

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