作る私と着る慎 6

6-49. ページ49

慎side 2024/4

　



中学時代の彼女なのに覚えてるもんだな



遠慮がちなところ変わってなかった



俺がこの業界目指して頑張ってるとき
レッスンとかで全然会えなくても
文句一言言わずにむしろ応援してくれて…



夢叶えるために、専念するために
一方的に別れを告げた相手



帰宅して真っ暗な家に少しほっとした



明日も仕事あることを分かったうえで
強いお酒を入れる



シャワーのあと
寝室で眠るAの顔を見ると



元カノがどうしても出てくる頭に
罪悪感を覚えて
結局ソファーに体を沈めた





A「まこ、起きなくていいの？」





すぐそばにAがいて
体には毛布が…かけてくれたんだ



何も言わない俺を変に思って
覗き込んでくる体を引いて抱きしめた



学生のときから何年も経ち
最近やっと1人の女性を守れる
自信ついたし、実力も認められてきた





慎「俺が幸せにする」



A「何かあった？」



慎「昨日偶然元カノに会って
時間にしたら
30秒もないぐらいなんだけどさ、、、」






昨日のこと話すと
『へ〜 初めて聞いた』って
ニヤニヤしてるA





A「ずっと応援してくれてるの
嬉しいでしょー？」



慎「それ本心？」



A「うん、過去のこと聞けて嬉しい」



慎「ふっ、怒らないとは思ってたけど
喜ばれるとは思わなかった」



A「でも申し訳なさはあるよ」



慎「いいの、指輪してたから
誰かとうまくいってんじゃないかな

言うまでもないけど
俺の気持ちは変わらないからね？
Aが大好き」



A「ふふ、よかった

でも、ここで寝たことはうーんって感じ」



慎「ごめん」



A「元カノさんのこと
考えないほうが無理じゃない？
だから隣で寝てほしかった

焦ったんだよ、朝帰りだって
探して乗り込みに行こうと思った」



慎「1人にしてごめん」



A「私が怒って部屋で寝るとき
ヨギボー持ってきて同じ部屋で寝る
あのうざい勢いはどーしたの」



慎「…確かに、ほんと今回はごめん
バレンタインのメンタル忘れてた」



A「あー
バレンタインなんだけどさ…」



慎「ん？」



A「実は、、、」





俺がいなかった我が家で
まさかそんなことがあったなんて…





A「ピアスは相手にバレないように
予定どおり遥が持って帰った
で、BGに託すって

アクセサリーBOXにしかなかったから
寝室ぐらいしか聞こえてないと思う」



慎「寝室…やだな」

ご挨拶→←6-48.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す