作る私と着る慎 6

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慎side 2023/9





1人になった家を出てリハへ



今日からAがいないことを
知ってるメンバーから
安定のいじり祭りのあと
一息つきたくて自販に来てた





［ ギュ ］





慎「え、いや、ちょっと
離れてくださいっ」



香「お久しぶりですっ
あの記事売ったの私です
ごめんなさい
直接お詫びしたくて来ちゃいました！」



慎「いや、香さんっ、ほんとに」





Aに
『抱きしめるのは引き剥がす時に
触れられたいからだよ』と
言われた言葉が蘇る



…でも、ごめん



これ以上は気持ち悪いから
香さんの肩を掴んで
離れてもらった





香「私のこと嫌いですか？」



慎「嫌いというか、迷惑です」



香「好きなんです、長谷川さんが
…だめですか？」



慎「すみません」



香「これ」





渡されたのは
差出人の記載がなかった封筒と
同じ封筒



やっぱりあの日
今市さんがみたのは香さんで



一部の人しか知らないRMPGで
『オーダーメイド作りたい』と
書いた手紙を
家に郵送して来たのも
香さんで間違いない





香「今なら私に構う時間
ありますよね？
よく考えてくださいね」





不気味な笑みを向けて
俺の前から消えてった



最後、口紅が薄くなってて
まさかと思って服を見たら
胸元の一部が赤くなってた



香水も移ってるし…
またやられた



トイレで手紙を開けると
【仕事終わり
〇〇のカフェで待ってます】



はぁ…



トイレでTシャツを脱いで
顔も洗ってスタジオに戻ったら
上裸の俺に集まる視線



それに触れないで
カバンの近くに置いてたスマホを確認



駒井さんから
香さんが事務所に入ったと
連絡が来てた



リハ中確認できなかったし
休憩入ってそのまま自販に行ったから
気づかなかった





壱馬「どうした？」



健太「…この臭い、香さん？」



慎「そうっす」



「「え…」」



慎「シャワー浴びてきていっすか」



力矢「行っておいで」





服を脱いでも
香さんに触れた素肌から
きつい香水のにおいがして気持ち悪い

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