壱馬の声を聴かせたい 2

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Aside 2023/1





湯船に浸かってても
震えが止まったのは気持ち程度



もうこれ以上入ってても
変わらない、と思って上がった



寒いなーと思いつつ
着替えて



リビングに行くと
壱馬はいなかった



『戻ってくる』ってなにが？
うまく聞き取れなかったんだよね…



ちょっと休憩〜
壱馬が抱きしめて温めてくれてた
ソファーで
毛布にくるまって横になった





壱馬「A、A、起きて」





ん？




壱馬「だるい？
髪乾かさんと冷えるやろ」



A「…なんでいるの？」



壱馬「戻ってくる言うたやん

薬飲も？
あと食欲なくなっても
食べれそうなもん買ってきた」



A「…行ってくれたの？
ありがと」





渡された水と薬を飲んで



ぼーっと座ってるだけで
あとは乾かしてくれた





壱馬「風呂借りていい？泊まるわ」



A「ここまでしてくれたら
もう十分、大丈夫だよ」



壱馬「大丈夫は信用ならん
今日何回嘘つかれたか」



A「これはほんと」





座ってるのもしんどくて
ソファーになだれ込んだ
私の頭を撫でて



『待ってて』と立ち上がって
いなくなっちゃった



…着替えあるのかな？





A「かずまー
入ってもいい？」



壱馬「ええよ」





まだ下は履いてて
ギリ間に合った





A「バスタオル、はい
着替え、ある？」



壱馬「さっき家帰って
取ってきたからあるよ」



A「そっか
壱馬も冷えてるから
ちゃんと浸かってね」



壱馬「わかった、ふふ
あったかくして待ってて」



A「うん」





『これどっか置いといて』と
アクセサリー類を預かって
リビングに戻ってきた



気づいたら
またソファーで寝てたらしく



体がふわっと浮く感覚で
目が覚めたけど



同時に心地いい声が聞こえて
振動を感じながら目を閉じた






壱馬「水飲んどこ」



A「いらない」



壱馬「だめやって、少しでええから」





無理矢理飲まされたあとは
壱馬の香りに包まれて
体温を感じながら…



次目が覚めたときは
もう朝だった





A「かずま…」



壱馬「ん…起きた？」



A「誕生日、おめでと」



壱馬「ふふ、ありがと」



A「看病させてごめんね」



壱馬「なんも、好きな人と
一緒に寝て迎えれて幸せ」

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