手を差し伸べた彼３

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Aside 2022/9





延期になったフェス開催日 前日


繁忙期のピークが過ぎて半日だけオフ


別のグループがゲネプロ中
隆二さんが電話に出て泣いた


私は岩さんと近況報告会をしてて
様子がおかしい隆二さんを見つめてた





隆二「っ…美咲がっ…目を覚まし…た」





臣さんが泣き崩れた隆二さんを抱き寄せて
健二郎さんが背中をさすって
エリーさんがティッシュを渡した


リーダー2人は泣いてて
岩さんは私の頭を撫でた





岩「よかったな」


A「っはい…ぅっ(泣)」




隆二さんの言葉を聞いてすぐ涙が出た
涙のせいで視界が歪んでる


本当によかった
美咲さんが目覚ましてくれてよかった




岩「責任感じてたんでしょ？
　 自分だけ元気になったって
　 今日までずっと思ってたんじゃない？」


A「はい」


岩「バカだな〜
　 隆二さんさ『そう思うな！』って
　 退院直後言ってたでしょ？
　
　 美咲は少し長く寝てたけど
　 お嬢が頑張ってるの知って
　 私も目覚まさないと！って思ったのかもよ」


A「岩さん…っ…」


岩「ほら、涙拭いて？
　 ランペに教えてきてあげて」


A「はい」


岩「大丈夫？行ける？」





頭ポンポン
背中トントン
涙拭いてくれて…と


いたせりつくせりしてもらって
ランペのところに走った





佐藤マネ「どした？」


A「美咲さんが目を覚ましました！」


佐藤マネ「まじ？！みんなにも教えてやれ」


A「はい！入りますね！」




［ ガチャ ］




A「みんな！
　 美咲さんがっ、目覚ましたっ！」


「「まじ？！」」
「「よかった！」」


陸「隆二さんは？」


A「その場にしゃがんで泣いてたよ」


陸「そっか…(泣)」


A「…りく」


陸「ごめん、泣くつもりなかったんだけど…
　 あー……Aが目覚ました時…
　 思い出しちゃった」


A「…心配かけて…ごめんね」





私に泣き顔見せないように
上向いたり下向いたり…


私が寝てる間にすごい心配かけてたんだよね
今の陸見てたら辛くなってきた


陸の顔に手を伸ばして
両手の親指で涙を拭う





A「陸も、泣き顔隠してるじゃん」


陸「っ…俺はいんだよ」


A「っちょ…みんな見てる…よ」


陸「少しだけ抱きしめさせて
　 メンバーだけだから大丈夫
　 …はぁ……情けねぇ」

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