24話 ページ30
ある昼下がりに、校内放送が鳴り響いた。
『1年生の皆さんに連絡です。宿舎の食堂にあるキッチンが謎の原因で故障し、緊急メンテナンスが行われる事になりました。1年生の皆さんはFSTに夕食を購入して下さい、繰り返します＿＿』
まだ昼休みなのに迅速に対応する教職員と放送部は凄いな、と思いながら弁当を持って屋上に向かう。
｢よ、A｣
そこには、先に場所を確保してくれていた雷堂が居た。
友達であり、同じクラブの仲間であり、彼氏である。
私は雷堂の隣に少し間を開けて座った。
｢…うまそーだな｣
私の弁当を見てから雷堂はそう言ってくれた。そう言う彼は片手に焼きそばパンを持っている。
｢雷堂くんも、焼きそばパンばかりだったら栄養偏らない？｣
それは結構前から思っていた。朝と夜は学食が有るから大丈夫だろうが、昼にパンばかりでは途中で空腹になりかねない。
…この前も、YSPの皆で蕎麦やカツ丼食べてたし。
｢雷堂くんは人間じゃないものと戦っているんだから、昼こそもう少し食べるべきだよ｣
自分で言ってから、ふといい事を思いついた。
｢私、雷堂くんの分の弁当作ろうか？｣
｢は？俺の事は＿＿｣
｢FSTの時カツ丼食べているのを見ましたー。中途半端な食生活してたら駄目だよ｣
見られてたのかよ、と呟きながら雷堂は頭をガジガジと搔く。
｢…大変じゃねぇのか？｣
｢1個も2個も変わんないって!｣
弁当の残り物が減るのは、正直有難い。
｢じゃあ…頼む｣
明日から弁当を作ってあげることになった。
…なんか、恋人っぽいなぁ。
なんて甘酸っぱい幸せを噛み締めながら、昼休みは雷堂と他愛も無い話で盛り上がった。
FST。
｢A先輩ー！｣
廊下の方から玉田の声がした。
｢生徒会長のクラスに転校生が来たの、知ってますか!?｣
噂で、だが聞いていた。かなりの美少女とか。
｢私たちと見に行きませんか？｣
姫川がそう提案してきた。
転校生の事は気になっていた。
＿＿名前が。
｢うん、行こっか｣
私は1年生達について行くことにした。
そこで見たのは、男子に囲まれている、眼鏡の女子。私は確認せずには居られなかった。
｢…ね、七雲さん｣
教室に入り、七雲の顔を見つめる。その少女は私の顔を見ると、一瞬だけ目を見開いた。姿が変わってしまっても、顔のパーツや雰囲気は変わらないようだ。
＿＿嗚呼、やっぱり。
｢私、あなたと色々話したいの｣
ニッコリ微笑んだ私に、彼女も｢うん｣と頷いた。
…また会えたね、クマ子ちゃん。
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ウエサマ(プロフ) - キリノ様〜続きを書いてくだせ〜 (2022年7月13日 18時) (
レス) @page42 id: 1442eac3b7 (このIDを非表示/違反報告)
キリノ(プロフ) - コメントが付いた…だと！？花音さん、ありがとうございます！そう言っていただけると励みになります♪これからもゆったり更新していく予定なのでよろしくお願いします！ (2021年3月2日 21時) (レス) id: fda9b97bde (このIDを非表示/違反報告)
花音 - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノﾒﾗちゃんったら皆がいるかもなのに大胆(*/□＼*)続きがとても気になります( ;｀Д´)これからも応援してます(^○^) (2021年3月2日 20時) (レス) id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
キリノ(プロフ) - 感想などこちらにお寄せください！出来る限り返答します！ (2021年1月13日 8時) (レス) id: fda9b97bde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キリノ | 作成日時：2020年12月30日 12時
